第26話 ~二人きりで♥~!?
「うん、うん! 可愛くて素敵だよ!」
「……」
「そんなに恥ずかしい?」
「はい……」
「赤くなっている姿も可愛いよ! ほらもっとこっち見て!」
私は今、男の部屋である格好をさせられている。
部屋に着くとビリニュスは追い出され、私にはいきなり「これを着て」と言われたのでトイレに行って着替えたらとんでもない服装だった。
「それ、年末の部活のパーティーでもらったやつだったんだけど俺は着ないから奥にしまっていたんだ。似合っているよ」
「バニーの朱火ちゃんも」
「……」
メチャクチャ恥ずかしい!
黒のレオタードに黒の網タイツなんて初めて着たし! 頭の黒のウサ耳は気になってしょうがない!
さらに気になるのは!
「そんなに隠さなくたって大丈夫だよ。胸元はちゃんと隠れるようになっているんだから」
胸元だ!
ノーブラで上の方が見えているのだ!
剥がれてしまうんじゃないかとすごく気になる!
「ほら! よせて!」
「うわっ!」
隠していた両腕を離された! 両腕は男に押さえられている。
この服はDカップの私の胸を強調させている。まるで見せつけているみたいだ。
男は私の胸をじっと見ている。
「可愛いよ……朱火ちゃん」
「そ、そんなに見ないでください。恥ずかしい……です……」
う……何だ? この感じ。
体が熱くなって、恥ずかしさが体にまで伝わっていく!?
「もっと堂々としていなよ。その方が可愛いよ」
堂々と?
「私……堂々としていいんですか?」
「ああ。ほらもっと近づいて……」
私は言われるがまま男の元へ近づいた。
男は私の頭を撫で始めた。
「こんな事されるの初めてです……」
「そうかい? ……」
ドン!
「きゃ!」
男が抱きついてきた!
「ゴメン……もう我慢できなくて……朱火ちゃん」
「はい……」
何なんださっきから!?
この状況が異常なのは私も気付いている。
さっきから何なんだ私は!
普段なら殴っててもいいくらいだぞ!
でもできない。年上だから?
いや、年上との喧嘩は数え切れないくらいしてきた。それなのに。
バニーの格好をさせられてから急におかしくなってしまった。
何だか私も……女の子らしくなってきている!?
「朱火ちゃん……」
「はい……」
私達は見つめ合った。
だ、駄目だ……これ以上何か言われたら……。
「愛してるよ」
「!……♥」
もう限界だった……。
私は……この男を♥
「朱火さん! しっかりしてください!」
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