第5話 ~変身!?~

 ああ、

 

 思い出した。

 

 この赤い光を浴びていたらなぜかド忘れしていた。

 

 でもさ。

 

「なんでメイド服と武器!?」

 ますます訳がわからない。

 光が消えると、私は高校の制服から全く違う服装になっていた!

 長袖の白いブラウスの上にはフリルが付いた黒のエプロンスカートが膝上まで覆っており、胸元には黒いリボンがついている。膝下からは白のハイソックスに黒の編み込みロングブーツという服装になっていた。

 しかも右手には見たこともない武器を持っていた。

 薙刀の西洋版を改良したものであろう、先端の刃が三つに分かれていた。

「その三叉槍を女性に向けてください!」

 ビリニュスがまた訳のわからない事を言ってきた。

「向けたら女性を助けたいという思いを三叉槍に集中してください!」

 ビリニュスの方を見ると女は今にもビリニュスを振り払おうとしている。

 時間は無い。とにかくやってみる事にした。

 あの女を助けたい。

 あの女を助けたい。

 早くメイド服脱ぎたい!

 ピカッ

 ピシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

「うわあぁ!」

 余計な事願ったからか!?

 見たことも無いくらいの白くて激しい雷が女とビリニュスの方へ落ちた。

「ビリニュス!」

「僕は大丈夫です! そのまま手を放さないでください!」

 雷の中からビリニュスの声が聞えてきた。

 とりあえず今は言う通りにした。

「うが…あ…ぁ…」

 女の声が徐々に途切れてきて、最後には何も聞えなくなった。

 しばらくすると雷は無くなり、女も声を出さなくなった。

 そしていきなり立ち上がった!

 く、来るか?!


「あれ? 何で私こんな所にいるんだろ?」


 驚いた!

 あれだけ暴れ回っておいてキョロキョロしながら何を言っているんだ、あの女!?

 ……うわっ!

 嫌な姿を見られてしまった。

「あ、いやその、このメイド服は」

「いけない! 急がなくちゃ」

「え?」

 女はメイド服姿の私を気に留めずに走り去って行った。

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