第5話 中学1年生

 そして、私は、中学1年生になりました。


 私立の学校です。


 初めは皆な緊張していました。


 ですが、そのなかで、ただ一人、知った顔があったのです。


 仮に、その子を可憐とします。


 可憐とは、小学校のとき、少しの間、塾が同じだったのです。同じ学校ではありませんでした。ですが、私と可憐は塾では全然話しませんでした。


 ですが、クラス編成テスト(クラス決めのテスト)で、私の前に、可憐がいたのです。


 ですが、所詮、塾が同じだったってだけで、入学当初は、全然仲良くなかったのです。


 私が始めに仲良くなったのは、二人でした。仮に、その二人を、沙羅さらと、千夏ちなつと、します。


 沙羅は、私と委員が同じで、千夏は、普通に仲良くなっていきました。


 沙羅と千夏とは、同じ話題で盛り上がれていい友達でした。


 ……と、すみません。脱線しました。


 私の話はここまでにして。


 入学当初の座席は、出席番号順でした。


 その時に、横に居た子、仮に、莉奈りなとします。


 莉奈とは、当初全然話さなかったのですが、私と沙羅が一緒に帰っているときに偶然会ったことから仲良くなっていきました。


 ですが、莉奈と私は、のちに可憐に悩まされることになります。


 可憐は、クラスの総務(クラスをまとめる係)で言うことを聞きそうな莉奈に目をつけました。


 可憐はことあるごとに、莉奈を引きずり回し、どこにいくのも一緒でした。


 ですが、莉奈のお家は厳しめなので、休日は時々、遊んでいました。


 ある日、私が、莉奈に夏休みの予定を聞いていると、『馬間祭り』(下関である祭り。漢字が違ったらごめんなさい。)に、一緒に行きたいな。と思っていて、莉奈に聞いたら、大丈夫だそうでした。


 だけど、急にダメになりました。


 何でかと聞いたら、理由はこうでした。


 可憐と、可憐の友達と、莉奈と、莉奈の家族で、わっしょい百万祭り(小倉であるお祭り)に行った。

         ↓

 可憐と、可憐の友達が、莉奈の両親をうざがって、離れようとした。

         ↓

 莉奈の両親とはぐれさせた。

         ↓ 

 莉奈の両親が怒って、外出禁止令が出た。

         ↓

 馬間祭りと外出禁止令の日にちが被る。

         ↓

 馬間祭りに行けない。


 といった具合です。可憐に聞くと、「だって、ウザかったんだもん。」みたいな返しが来ました。ウザかったです。


 そして、私は、可憐が嫌いになっていきました。


 次も、可憐のお話ですが、今度は、私ではなく、莉奈のお話です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る