第3話 小学3、4年生
私の学校は、2年ごとにクラス替えがあります。
小学3年生の時、担任の先生に、「ちょっと、この子と一緒に帰ってあげて。」と、言われました。
この子を仮に茉莉花と、呼びます。
茉莉花は、極度の人見知りみたいで、私が話しかけても、何も話さないような、そんな
子でした。
茉莉花と、それから一緒に帰っていました。
ある日の帰り道、茉莉花は、やっと喋ってくれました。
嬉しくて、感動しました。
そこから、私と茉莉花は、いろいろな事を話しました。覚えてないですが……
時々、外に出て、一緒に遊んだりしました。
ですが、私にとって、初めての『裏切り』がありました。
ある日の中休み。(昼休みの前の運動場に出れるちょっと長い休みです。)
私は、茉莉花に、「昼休み、一緒に遊ぼうね。」と、言いました。
茉莉花は、「うん。いいよ。」と、言ってくれました。
私は、昼休みが待ち遠しかったのです。
ですが、昼休み。私は、驚きました。
私が、茉莉花に「遊ぼう。」と、言おうとしたら、クラスメイトの女子が、茉莉花に、「遊びにいこう!」と、言いました。
茉莉花は、断ってくれる。と、思っていたのですが、承諾しました。
耳を疑いました。
私は、怒りました。「一緒に遊ぶんじゃなかったの!」と。
すると、茉莉花に話しかけた女子が、「でも、良いって言ったよ。」みたいなことを言いました。
「私の方が、先に約束したよ。」私は、言いました。
「もういい。」私は、怒って、その子達を無視しました。
「茉莉花ちゃんだって、美織ちゃんと、一緒に遊びたいって言ってたよ。」女子が言います。
「本人が言わないと分からない!」私が言います。
「茉莉花ちゃんも、美織ちゃんと、遊びたいよね。」その女子の問いに茉莉花は、こくんと頷きました。
私は、それを、リコーダーを吹いて無視します。
女子から、怒られました。
教室には私一人。
図書室で借りた本を読んでいました。
担任が、入って来ました。
「美織さん、遊びに行かないの?」
「いいんです。」
「そうですか。」
担任は、出ていきました。
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
昼休みが終わりました。
みんなが帰ってきます。
その次の授業は、図書室で行われました。
読書の時間みたいな感じです。
本を借りたり、返したり。残りの時間は本を読みます。
私が、次に借りる本を選んでいると、多分担任が、「美織さん。」と私を呼びました。
誰かが、昼休みの事を話したみたいです。
茉莉花に話しかけてきた女子が言ったそうです。
話を、聞かれました。
そのまんまの事を話しました。
私は、話している途中で泣いてしまいました。
茉莉花に話しかけてきた女子は、茉莉花を非難しました。
茉莉花が担任に呼ばれます。
私たちは、図書室の外に出されました。
「茉莉花さんが謝ったら入ってきなさい。」
担任は、そう残して図書室に入っていきました。
担任は、図書室にいると、茉莉花が謝れない。そう思ったみたいです。
茉莉花と、廊下に座ります。
私は、図書室に入りたかったので、
「小さな声でもいいから。」とか、
「ごめんでもいいから。」など、謝ってもらうために、さまざまな選択肢を出しました。
救済処置ですね。
だけど、茉莉花は謝りません。
先生の見回りが来ました。
「何をしているの?」
「この子が謝るのを待っているんです。」
そう言うと、先生はそのまま、階段を降りていきました。
茉莉花はなかなか謝りません。
しびれを切らした私は、
「耳打ちでもいいから。」
と、言いました。
すると、茉莉花は、耳打ちの姿勢をとったので、私は、耳を傾けました。
「ごめんね。」
か細い声でした。
私は、呆れたようにたち、そのまま、図書室のなかに入っていきました。
この事は、まだ覚えています。
これが 、小学3、4年の話。
次は、小学5、6年の話です。
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