第30話 フレンチだって

「前菜にさ、サラダ食べるよ」

 あぁいいことだ…便秘と下痢の両極端な彼女の腸内事情。

 食べたほうがいい。

 運ばれたサラダ大した量じゃないがフォークでアクアクと食べている。

 こっちを見ている。

 解っている…トマトは僕が食べるから。

 飽きたのか…口に合わないのか…フォークが止まる。

「どうしたの?もっと食べなよ」

 無言でボールを僕に差し出す。

「もういらないの?」

「うん…」

「美味しくなかった?」

「ううん…でも…ドレッシングが…和風じゃない…」

(えっ?今さら何を…)

「いや…フレンチって自分で頼んだ…ここフレンチの店だし…大体、誘ったのキミだよ…ココで和風は無いんじゃないかな…たぶん」


 なんだろう…食事のベースがコンビニなんだよ…たぶん…。


 やっぱ…多少、無理しても節約して、いい店来よう…コンビニばっかじゃ色々ダメになる。

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