第20話 だから焼きなんだって…

「たこ焼きか~、うどん、どっちが食べたい~」

「好きなほうでいいよ…僕は」

「ふぅん…どっちでもいいんだけどな~」

「ちなみに…たこ焼きと、うどんの2択しかダメなの?」

「うん…ダメ~」


 どうでもいいような言い方だけど…かなりメニュー限定してきたな…。


「アタシ、スタバ行ってくるから、買って待ってて…だから1000円頂戴」

「あぁ…はい」

「おつり出ないと思ってね」


 さて…どっちが正解なんだ…『たこ焼き』か『うどん』か…。


 うどん…空いてる、たこ焼き…混んでる。

 伸びるから、たこ焼きで!


 フードコートで待ってると、彼女がやってきた。


 彼女の鞄から、カツカレーが出てきた…。

「カツカレー…もあったの…」

「うん」

(今日も重いな…)

 ひとくち食べて…はい♪

「うん…ボリュームが…多いかな…」

「パンもある…ソーセージの…」

「うん…いや…量が…ね」

「あのね…カレーのルーが無くなったら~納豆もあるから言ってね」

(たこ焼き…要らないよね…)


 カレー無くなりました…ごはん残ってます…。

「納豆…全部食べちゃった?」

「うん…納豆好き」

「うん…ほらっ…ごはん残ったらって言ったよね…残ってんだけど…ごはんだけ」

「全部食べた…」

「うん…いいけど…」

「パンも食べて…」

「うん…ごはん…いや、いいんだ…」


「タコ要らない…」

(たこ焼き…のタコ抜き…って…小麦粉焼き)

「聞いていい?イカもダメ?」

「うんダメだね~」


「やっぱ揚げ物って美味しいね~」

「たこ焼き…揚げ物じゃないよ…焼きってくらいだからね…」

「………」

「美味しい?小麦粉焼き?」

「美味しい~たこ焼き好き~」

(タコ嫌いなのに…たこ焼きは好きなんだ…)


 そして僕は、彼女がほじくり出したタコを食べるのである。


 幸せになってね…はぁ~。

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