第19話 炒飯に何かけた?

「ふ~ん…今日は炒飯を持ってきたよ~」


 夕食のメニュー

 炒飯・おでん・うどん・から揚げ・タルト2個・チョコケーキ1個

 ノルマらしい。

 彼女は、上記を、ひとくち食べて…ガリガリ君・チョコアイス・納豆・じゃがりこ・抹茶チョコ数個などを食べる。


 僕が食べさせられた順番

 チョコケーキ これが最初か~。

 炒飯 メインだな。

 から揚げ3個 まぁ解る…。

 いちごタルト 早くも甘味挟んできたよ…。

 おでんandうどん うん…なんか舌がおかしくなってきた。

 ふたたび炒飯 あと半分くらいだよ…。

 最後にマロンタルト…重い…キツイ…。


 炒飯 セブンイレブン

 から揚げ ローソン

 おでん ファミリーマート


「コンビニ制覇だな…」

「もちろん」

 威張ってるけど…嫌味で言ったんだよ。


 問題は、炒飯を一回残したことだった。

「ん?なんか炒飯…甘いんだけど」

「炒飯が甘いわけないじゃない!何にもしてないよ!」

 僕はふと思い出した。

 僕がタルトを食べてるとき…彼女はガリガリ君(ソーダ味)を食べていた。

「やっぱガリガリ君美味い」

 などと言いながら…暖房の効いた車内で…左手に炒飯を持ちながらだ。

 無意識のうちに、溶けて垂れるガリガリ君の受け皿に炒飯を使用していたのだ。


「ガリガリ君だよ!」

「ん?」

「アイスが溶けて炒飯に零れてんだよ!」

「………あっ……そういうことか……」

 再び食べ始めた時の炒飯は…ベッタリ甘かった…。

「犬でも通りかからないかな…」

「なんで~」

「炒飯食わせるから」


「あのさ…お菓子食べてないで、炒飯食ってくれない?」

 彼女は無言で首を横に振る…。

「野良犬いないかな~」

「油…犬に良くないよ~」


(僕にも良くないんだよ…犬の胃より、僕の胃を心配してくれよ…)


「炒飯ねぇ~400gだって~」

「あぁ…それだけで十分なボリュームだよ…」


 なぜに…僕は彼女を好きなのだろうか…。

 僕に生命保険でも掛けているのだろうか…。


 成人病になるよ…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る