第7話 うなぎ

「今日、ココ行きたい」

「とりあえず…」

 笹団子…蓮饅頭…蓮もち。


(はぁ~…また甘いのばっか……)

「どう?美味しい?」

「マズイ」

「冷凍だからかな~」

「これは?」

「うん…べつに…」

「こっちは?」

「なんか…お腹いっぱいだし…なんで食事前に、あんこばっかり?」


 …………

「なんにする?」

(もう…なにも食べたくない……たいしたものないし…)

「カツ丼でいいよ」

「アタシは~うなぎ食べようかな?」

「いいけど…うなぎ食えるの?」

「食べれるよ…好きってほど好きじゃないけど」

「頼めば」

「うん…すいませ~ん」


「うなぎってすぐできますか?」

「いえ…蒸すんで、20分ほど…」

「えっ?…そんな待つの?…すぐできませんか?焼いてもいいんで」

「いや…せいろって書いてある…」

「急いでください!あとアイスとクリームソーダ、一緒に持ってきてください」


「お待たせしました」

「アイスも!持ってきてください!」

(あいかわらず必死だな…こんなとこのアイスなんて美味くも無いのに…450円?高くない)

「かつ丼も一口食べさせて」

「うなぎ食べる?」


 結局…うなぎの御飯とカツ丼を食べた。

「どうだった?」

「吐きそう……」

(そもそも…うなぎにアイスにクリームソーダ…ちょっと考えたくない食い合わせ)


「今度ここ行きたい」

(また食堂?…なんでそんな不味そうな食堂ばっか選ぶんだ…)

「なんで食堂?」

「アイスあるから」

「マズイもの高い金払って食わなくてもいいじゃん」

「だって…持ち込むと怒られるから」

(当たり前だ)

「食べてからコンビニ行けばいいでしょ」

「それが出来なくて悩んでます……」

(何が出来ないんだ?結局、我慢が出来ないの?)


 金をドブに捨ててる気がする……。

 石油王と結婚できるといいね。


 僕には無理です。

でも……別れるとすぐに逢いたくなるのは、不思議だ。

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