第8話眞王様取り敢えず西へ
はあぁぁぁ~マジかあぁぁぁ~。
俺は盛大に溜め息を吐いた。
前に進んでも地獄、後ろに進んでも地獄って・・・どんな詰みゲーだよ。本当マジどうしようかな~。
そんな溜め息を吐いてウンウン悩んでいる俺に桃色少女が話し掛けてきた。
「主様、そんなに大きな溜め息ばかり吐いておると禿げるぞよ?何をそんなに悩んでおる?」
「うるせぇ!禿げるか!って悩むに決まってるだろ!前は人間の軍が迫って来てるし、後ろに進もうにも前魔王軍が絶賛内乱中なんだろ?隠れようにも何処もねぇじゃねぇか!」
「何じゃ?そんな事で悩んでおったのかえ?」
「そんなか事って・・・十分悩む理由だろ?」
「ならば妾の領地に来れば良いではないか?それならば問題なかろう?此処からじゃと最西端の場所が妾の領地じゃ。まぁかなり辺鄙な場所じゃからおいそれと人間の軍も来んじゃろう。」
「何!?もう~それならそうと早く言ってくれよ~。良しっ!そうと決まれば善は急げだ。早速行こうっ!」
「あぁ、じゃが1つだけ問題があってのう。妾の領地までは此処からちと遠くてな。そうさな・・・ざっと見積もって1ヶ月位は掛かるが大丈夫かえ?なんせ大陸の最西端じゃからのう。それに幾つかの領主の領地を渡らねばならんがのう。」
桃色少女はサラッと面倒な事を言っていた。
「はぁっ!?馬鹿じゃないのっ!?此処から徒歩で1ヶ月位?この異世界で舗装も何もされてない道で徒歩で1ヶ月位って一体どの位歩くんだよ~はあぁぁ~マジないわぁぁ~。」
「主様が半分以上何を言っておるのか妾には理解出来んが・・・で?どうするかえ?辞めて他の道でも考えるかえ?」
「ちょっと待て!今、考えるから!」
えぇ・・・っと確か東京から京都まで大体500km位らしいから時速3kmで歩くとして1日7時間から8時間歩くと想定すると大体1日20kmから25kmで約20日前後って所か。舗装されてない道を歩く事を考えてもやっぱり東京から京都位迄の距離を歩くと考えた方が良さそうだな。
「取り敢えずは分かった。それで?他には何かとんでもない問題とか無いだろうな?それと他の領主の領地を突っ切るとして、その他の領主達は比較的どうなんだ?大丈夫なのか?」
「そうじゃのう。他の領主とは言っても妾の様に各種族を治める族長が治めておる領地じゃから然して問題は無かろう。比較的事の成り行きを見守る日和見が多いのが現状じゃ。忙しいのは中央の奴等だけじゃからのう。」
「そうか。良しっ!それじゃあ行き先はここにいる桃色少女の領地だな。行くぞ!お前達!」
おぉぉぉ~!!!とゴブリン達が気合いを入れる中、只1人だけ不服そうな顔をしている奴がいた。桃色少女だ。
「のう主様?桃色少女とはもしかして妾の事かえ?」
「ん?あぁ。そうだが?」
「主様!妾にはリリムと言う名のプリチーな名前があるのじゃ!!次からは【リリムちゃん】と呼ぶのじゃ!良いかえ?」
「誰がそんなこっ恥ずかしい事言えるか!リリムだけで十分だろ!ってお前は名前があるんだな?」
「つれない主様じゃのう。うん?名前かえ?妾クラスになると大抵の物は名前があるぞえ?」
「そういうもんなのか?」
いまいち魔物のランキングが分からん。まぁそれも追々調べていけば良いか。先ずはこの場を離れてリリムの領地に行くのが先決だな。
俺達は数日分の食糧と水分を村から調達、準備をし、進路を西へと向け出発した。
俺の安住の地は何処へ?
はあぁぁぁ~安らぎが欲しい。
「主様~溜め息つくと禿げるぞよ~。」
「五月蝿い!誰が禿げるかっ!」
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