第7話眞王様幼女を召喚する。その2
魔方陣がクルクルと回り終えた頃、中から桃色の髪と紅い瞳を宿した少女が現れた。
「妾を召喚したのは御主かえ?」
桃色の髪をした少女はニコッと笑って俺に問い掛ける。
「チェンジっ!」
「はっ?」
「だからチェンジだっ!!!」
「なっーーーーーなんじゃとっ!?」
「俺はツル・ペタ・ストンの幼女を喚んだ覚えは無いっ!俺が喚んだのはボンッ!・キュッ!・ボンッ!の悩ましい色香漂う御姉様だ!俺にロリ趣味はねえぇぇッ!」
「な、何を言ってるじゃ!御主は!妾を喚んだのは御主ではないか!それに妾は婬夢族の中の長じゃぞ!」
「そんな事知るかあぁぁ!俺のドキドキを返せえぇぇ!俺の甘いウハウハな未来を返せえぇぇ!詐欺だあぁぁ!こんなのあんまりだあぁぁ!」
「一体何を言っておるんじゃ御主は?それに何故それほどまでに泣くのじゃ!呼び出しておいて失礼極まりない奴なのじゃ!」
魔王は心理的大ダメージを負った。
「先に誤解の無いように言うておくが、婬夢は夢の中で好きな容姿に変える事が出来、男から精気を吸い取るんじゃ。じゃから御主の言うボンキュボンのおなごとやらも妾はなる事が出来るぞ?それなら問題無かろう?」
「そういう事じゃないんだあぁぁ!常日頃から潤いが傍にいるから良いんじゃねぇかぁ!常日頃から傍に幼女がいて潤うか!逆に犯罪の匂いがプンプンするわっ!へいっ!ボーイ!俺はキャストのチェンジを要求する!」
ピコンッ!
【説明】
1度召喚し、使役した魔物は如何なる理由に関係なく戻す事は不可能である。
「うるせぇぇ!そんな事知っとるわっ!てか何で勝手に説明画面が出てくるんだよ!?」
ピコンッ!
召喚を使用する場合は良く考えて召喚しましょう♪
「うるせぇぇ!いちいち嫌味っぽく出てくるんじゃねぇ!腹立つわ~!」
「今度の主様は騒がしい御方じゃのぅ。」
少女はやれやれと言った様子で俺を見ていた。
周りにいたゴブリン達もただただ苦笑いするしかなかった。
俺は魔王イジケモード(後に命名)に入り暫く地面に体育座りをし、棒切れで地面を掘っていた。
俺の予定ではこんな筈じゃなかった。
美人でエロイ御姉様がこれからの異世界生活に華を添えてくれる筈だったのに!
畜生!よりにもよって何であんなチンチクリンの幼女なんか召喚しちまったんだ?
あれか?この魔王Lvってのが低いからか?
そもそもこの魔王Lvを上げたらどうなるんだ?それに今更だがこの召喚ポイントってのはどうやって稼ぐんだ?
色々と調べる必要がありそうだな。
良しっ!まぁ為せば成るの精神でやっていくか!俺の尊敬する彼の上杉 鷹山公の教えだ。
【為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり】
素晴らしいお言葉だ。赤字経営の米沢藩(山形県米沢市)を黒字にまで回復させた正に名君だ。
「おい!そこの幼女!お前の知識を俺に貸せ!」
俺はイジケモードを終了し立ち上がった。
「やれやれ一体どうしたのじゃ?騒いで泣いて落ち込んだと思ったら今度は妾に力を貸せとな?本当今期の魔王殿はコロコロと忙しい方じゃのぅ。」
桃色の髪をした少女は落ち着き払っていた。
「で?そんな主様は妾に何を聞きたいのじゃ?」
「タロウ達ゴブリンの話で此処が旧魔王領と人間領との丁度境目ってのは分かった。俺が聞きたいのは旧魔王領内で人間に対する反抗勢力があるかどうか?あるとしたら其処は何処か?それと旧魔王領内で交通の弁が良く尚且つ川、若しくは湖が近くにある丘陵地はあるか?後は山があったら良いけどな。どうだ?」
「ふむ・・・先ずは反抗勢力じゃが、魔王軍の中でも直属の配下達である【三獣士】がそれじゃ。あ奴等は1人1人が前魔王に匹敵する強さじゃ。後は各領地を任されておる【十二師】。他には妾達のような族長クラスなんかも其々独立した動きを見せ人間共に反抗しておるが・・・。」
「反抗しているが・・・何だ?何か問題でもあるのか?」
何だか雲行きが怪しい気配なんですけど?
「うむ・・・それがのぅ、前魔王が倒された事で各地で独立の狼煙が上がってのぅ。今、旧魔王領内は独立戦争と言う名の内乱が絶賛勃発中なのじゃ!テヘッ!」
桃色少女が舌をペロッと出してやっちまったって顔をしている。
「なんじゃそりゃあぁぁぁ!!!独立?内乱?おいおいおい!それじゃあ前門の虎後門の狼で、前は人間軍、後ろは独立内乱戦争の真っ只中で詰んでんじゃねーかっ!」
「ふむ。困ったのぅ。主様どうする?」
「我等は魔王様に付いていきます!」
タロウ達ゴブリンの皆は何故かやる気満々なんですけど?えっ!?何で!?
「どうするもこうするもねぇじゃねぇか!」
はあぁぁ~。マジで家に帰りたい。
異世界に来て2日目で既に詰んでるってどういう事?どうしよう・・・前が暗くて見えません。
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