第6話眞王様幼女を召喚する。その1

ヘルプミ~!!!誰か俺を導いてくれぇぇぇ。しーーーん。何もない。何も聞こえない。ですよね~。念じた所で何も起きる訳がない。


さてと、おふざけと軽く希望的観測も済んだ事だし、今後の事についてどうするか考えよう。


幾ら村人達が戦火を逃れたとはいえ、此処へ戻って来ないとは限らないので、此処に住み着くのは些か不味い気がする。


かと言って、じゃあ一体何処へ行けば良いのか?俺は昨日この世界に飛ばされ右も左も分からない状態だし。一応タロウ達に意見でも聞いてみようか。


俺は清々しい朝の下、ラジオ体操をしながら考えていた。当然それを見ているゴブリン達はキョトンとしている。


ふぅ。朝から良い汗かいたぜ。本気でラジオ体操をすると汗かくよな!うん!


「所でタロウ君。この村は一体どの辺りで俺達はこの後どうすれば良いのかな?俺は昨日此処へ来たばかりだし、お先真っ暗闇状態なんだが?」


「この辺りは昨日も私が言いました通りダオス大陸にあるアラバ平原を抜けた旧魔王領と人間領の境目にありますハジ村です。今はまだ前魔王様が倒された事実が世界全土に広がっていませんので、今暫くは猶予があると思われます。」


「そっか。そういえば俺は前魔王が勇者に倒されたから現魔王としてこの世界に召喚されたんだっけ。」


「はい。左様でございます。」


「でもさ~情報が広がるのも時間の問題じゃん?そうすると人間側がきっと攻勢に転じるよな?この村が魔王領との境界線ならその内軍隊が来るよな?そうなると不味いんでないかい?」


「そ、それは・・・。」


タロウは苦悶の表情をしている。


「実際どうなんだ?魔王が倒されて、勇者及び人間側に対する反対勢力はあるのか?それと前魔王領は全て人間側に支配されるのか?俺はこの今の世界の情報が知りたいんだが。」


「も、申し訳ありません。我等小鬼族であるゴブリンは、種族の数こそ多いのですが、魔物の序列としては末端でして・・・折角魔王様に我等をお引き立て下さったのに魔王様のお力になれず申し訳ございません。」


「お、おう。余り気にするなよ。十分お前達は俺の力になってくれてるから。」

(言えない・・・召喚を試したくて一番ポイントの低いお前らを適当に召喚したとは口が裂けても言えないな・・・言ったらきっとショック死するんじゃないか?)


「な、何と!末端の魔物である我等に対し魔王様の慈悲深き優しい御言葉誠にありがとうございます!」


タロウ達はそう言うと皆一応に咽び泣いている。


えっ!?そんなに!?そこ迄感動するの?


「う~ん。そうなるとブレーンが必要になるな・・・なぁなぁ?魔物の中で知略に長けた種族って分かるか?」


「知略に長けた種族ですか?そうですね・・・知略ですと竜族・・・後は不死族のリッチ・・・若しくはヴァンパイアとかですね。只、今言った種族は高潔主義と言われていますので扱い方には苦慮すると思いますが・・・。」


う~ん。どれも消費ポイントが高くて手が出せん!竜族なんかそもそも論外だし?無理無理!俺は召喚のパネルをスクロールしながらポイント消費とにらめっこしていた。


「なぁ?他にはいないか?」


「後は・・・悪魔族のデュラハンとか婬夢族のサキュパスとかですかね?只、此方の種族も先程と同じく高潔主義なので中々従えるのに苦労なさると思いますが?」


「待て!今、何て言った?」


「えっ?ですから悪魔族、不死族は高潔主義・・・」


「違う!その前!」


「あっ、はい!悪魔族のデュラハン婬夢族のサキュパスと言いましたが。」


「おぉっ~!素晴らしいのがいるじゃないか!正しく俺が求めていた人材が!婬夢族のサキュパス!これはあれか!あの有名な淫靡な夢を見させ男の精気を吸い取るというとてもキケンな存在のあのサキュパスか!?」


ヤバい!つい興奮してヨダレが。


「あ、はい。魔王様良くご存知でいらっしゃいますね。流石でございます。」


あれ?何だろ?若干タロウ君の目が遠くを見ているような・・・。


ま、まぁいい。俺はパネルをスクロールしながらサキュパスを探した。


「あっ!あった!!くぅ~消費ポイント800かぁかぁ~痛えぇ~だがしかし!この異世界において華とお色気が無い異世界なんて一体何の意味があるっていうんだ!答えは否だっ!やはり異世界にだって心のオアシス基潤いは大切な筈だ!きっと世の男性は俺の考えに賛同してくれる筈だ!何故なら男は皆スケベだからだ!」


俺は自分にとって都合の良い解釈と言い訳をしつつ、召喚パネルを操作していく。


【サキュパス】で宜しいですか?

【はい】【いいえ】


勿論【はい】1択に決まってるだろうが!ポチッと


【数】と【性別】を入力して下さい。


数はポイントの関係上1体しか召喚出来ないから1体っと。逆に何体も出来たら俺の体が幾つあっても足りないぜ。アハッアハハハッ。ゲスいなぁ俺。性別は勿論雌にっと。雄だとインキュパスになっちゃうからな。俺にそんな趣味は無い。


【コスト800】掛かりますがこれで宜しいですか?

【はい】【いいえ】


【はい】1択じゃあ~!ビシッ!


それでは召喚を開始します。


ゴブリン達を召喚した時と同様青白い光と共に六芒星の魔方陣が回り始めた。


やっぱりスゲーな。それに綺麗だな。こうして見ると俺ってやっぱり異世界にいるんだなぁ。と沁々感傷に浸っていると光の中からゆっくりと人影が見えてきた。


ん!?あれ!?何か人影が小さくないか?


ピコンッ!


サキュパス1体の召喚が完了しました。


魔方陣から出てきたそれに俺は愕然とした。

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