6-おまけ
おまけ 好きな理由
愛「恋ちゃんは、お姉ちゃんと倒也さんのどちらが好きなのですかっ?」
恋「お兄様には申し訳ないのですが、やはり結婚できるという点でお姉様が
愛「二人のどういうところを好きになったのですか?」
恋「お姉様は圧倒的な強さからくる安心感。お兄様は圧倒的な弱さからくる安心感を与えてくれますわ」
愛「安心感ですか」
恋「一緒にいると安心する。好きな人というのはそういうものではなくて?」
愛「なるほどー。私と一緒にいても安心しないのですかっ?」
恋「あら、わたくしのことが好きなのですか?」
愛「いえ、友達としては好きですけど、恋愛的に好きではありませんよ。恋ちゃんみたいに同性を恋愛対象として見れる人ってそうそういませんからね?」
恋「愛ちゃんと一緒にいても安心はしませんが、楽しいですわよ。わたくしたちって似ている部分もあれば正反対の部分もあって、少しちぐはぐではありません?」
愛「そうですね。ピュアハートの座は渡しませんよ」
恋「えっ、何の話でしょうか」(※1-1冒頭参照)
おまけ 漫才
「愛です」
「知紅です」
「「〝
「大学の文化祭に有名人が呼ばれることってよくありますよね。お姉ちゃんには来ないのですかっ?」
「あぁ、たまに来るけど断ってるよ」
「もったいないのですー。ということでですね、せっかくの漫才ですし、お姉ちゃんにはゲストの役をやってもらいたいのですっ!」
「嫌だよ」
「そんなこと言わないで下さいよー。今だけですからっ、ねっ?」
「……一回だけだからな」
「では本日は、あの最強の武道家の一人娘、更科知紅さんにお越しいただきましたーっ!」
「どうも。更科知紅です」にっこり
「…………」
「おい。ひいてんじゃねぇよ」
「お姉ちゃんが満面の笑みとか正直気持ち悪いです」
「あたしでも傷つくんだからな? ゲストとして呼ばれてんのに仏頂面でいるわけにもいかねぇだろ」
「へー、じゃあ実際にゲストとして呼ばれたら笑顔のお姉ちゃんが見られるのですねっ!」
「だから行かねぇって言ってんだろ」
「えー。仕方ないですねー、こんなこともあろうかと先程のお姉ちゃんの笑顔の写真を撮っておきました」
「!?」
「プレミア物ですよプレミア! グッズにしたら高く売れそうですねー。ということで作ってもらいました!」
愛は舞台袖に引っ込み、台車と共に戻ってきた。
「ではこちらになりますー」がらがらがら
「早すぎんだろ!? 今撮ったばっかじゃねぇの!?」
「更科知久さんに頼みました」
「なにしてんの親父!? 武術こんなことに使ってんじゃねぇよ!?」
「叱られましたねー更科先生」
「いやあ、恐縮です」
「なんでいつのまにか混ざってんだよ!? やりたい放題だなこの漫才!! もうええわ!!」
「「「どうも、ありがとうございましたー」」」ぱちぱちぱち
おまけ 漫才②
「知紅です」
「恋ですわ」
「「〝赤い糸〟ですよろしくお願いしまーす」」
「というわけで、
「夫婦じゃねぇからな。普通の漫才だから」
「夫婦といってもわたくしたちは女性ですから、どちらを夫にするか決めねばなりませんわね」
「話聞けよ」
「実際にやってみるのが一番ですわね。まずはお姉様が夫の役ですわっ! ではこちらにサインを……」
「ん……ってこれ本物の婚姻届けじゃねぇか!!」びりぃ!
「ああっ! 婚姻届けが! 普段から婚姻届けへのサインに慣れさせておくことで、本番にさらっと書いていただく作戦でしたのに」
「作戦ばらしていいのかよ。まぁどうせ書かないけどな」
「むー。わかりましたわ。では漫才のネタとしてお姉様には夫の役をやってもらいますわね」
「仕方ねぇな……」
「お帰りなさいあなた。ご飯にします? お風呂にします? それとも婚姻届けにサインをされますか?」
「いや結婚してる設定だよな?」
「大分お疲れのようですわね。今日も遅くまで婚姻届けを書くお仕事をなさっていたのですか?」
「なんだその仕事。たった一枚をものすごいゆっくり書いてんの? それとも結婚相手がいっぱいいるから何枚も書いてんのか?」
「後者は法律的にアウトですわ。もちろん前者ですわよ」
「前者は人間としてアウトだろ」
「早乙女家に
「あたしが構うわ」
「そういえば今朝、進路希望用紙が配られましたわね。なんと書くおつもりですか?」
「武道家に決まってんだろ。実家を継ぐんだからよ」
「実家で修行していても、更科先生に追いつかないのではなくて?」
「……確かにな」
「早乙女家に入籍してから世界中を旅しますか? それともニートのまま世界中を旅しますか?」
「二択に絞るな」
「あら、お姉様の進路希望用紙が落ちていますわよ」
「さっき破り捨てた婚姻届けじゃねぇか! もうええわ」
「「どうも、ありがとうございましたー」」ぱちぱちぱち
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