DISTANCE FANTASY

SUMMER&BLUESEA

第1話『新たな空』part1

この地球のどこかに空の狭間が生まれ、

そこを通ったものは一生帰って来ないといわれる伝説がある。

太古の時代から空の狭間に向かって探し求め、旅した者がいるが、

滅多に見れないので見ることがないまま帰らぬ人もいる。

空の狭間を見つけた人はそのまま渡って行ったが、永久に帰って来なかった。

空の狭間を見つけた人からの証言によると“碧く耀いていた”と言葉にもできないほど美しかったそうだ。


最後の証人は2016年のアメリカのニューオーリンズのどこかで

見てきた人だといわれている。

その時の証言も同じように“この星にはない美しい空のゲートだった”と

空を見上げて言ったのだ。

その時は、アメリカで空の狭間を探し続けた人はニューオーリンズでできた

空の狭間に入っていった。でも、2日後に空の狭間は閉じてしまい、

計7人は帰らぬ人になってしまった。



西暦2066年の日本 ~最後の空の狭間から50年後~



部屋に男性の二人がいた。


パソコンをじーっと見ていた兄が盛り上がっていた。


「この気象条件は空の狭間にとっては絶好な条件だ!行くぞ、ユウキ!」


漫画を読んでいた弟は呆れていた。


「またですか~?どうせ外れやろ・・・」


「いや!そんなことないんだ!これを見ろ!条件がほぼ揃っているぞ!」


兄は弟に見せるようにパソコンを持ってきた。


「・・・確かに、でもこないだだって外れていたやろ?」


「ギクリ・・・いやそんなことはないさ!しかも近いし行ってみようや!」


やれやれと思ってアドバイスをした。


「はいはい。行く準備したら?」


久しぶりに認められたのか有頂天になっていた兄。


「ブラボーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


二人は荷物を用意し、電車で出かけた。


目的地は神奈川県の湘南方面にある島“江の島”である。


兄によるとそこに最後の空の狭間のニューオーリンズと似ている


データが出てきたといわれている。


兄は空の狭間を追い求めるために日々研究しているとてもオカルトオタクさんだ。


弟はきちんとした性格でオカルトはあまり信じていない。


電車で乗ることで数十分後、江の島が見えてきた。空はとても晴れ渡っていた。


天気予報によると快晴だそうだ。


50年前に起きたニューオーリンズの空の狭間も快晴だった。


兄はそれを聞いてすべてのデータを処分すると、ニューオーリンズの空の狭間と


似ているという結果が出たという。


弟は半信半疑の顔をしながら、江の島駅に降りた。


兄は降りた途端勢いをつけて駆けついた。弟はそれをついていった。


江の島をつなぐ橋についた。


兄からの情報によると江の島の南にある海岸にできる予定だといわれていた。


兄弟はその海岸に行くために歩き続けたそして、ついた。


でもそこには何もなかった。ただ砂浜だけだった。弟は呆れた顔をした。


「また、同じとちゃう?」


「いや、もう少ししたら出る。それまで待て」


「聞くけど、出たときはどうするの」


「もちろんあの世界に行くのさ!」


「この星に変えられる保証がなくても?」


「うん!」


弟はため息をついて遠く続く海を見ていた。


数分後、頭にキーンと冷える感覚がした。たしか、今までで初めての感覚だ。


まさかと思い兄弟はそろって振り向いた。


そこにはあったのだ。この星にはない美しい空の色のゲートがあったのだ。


「いこう!あの世界へ!」


兄と弟は互いにうなずいた。


「せぇーので!」と声をそろって足を踏み入れた。


しかし、そのゲートの向こうに入ってからは足の踏み場もなくただ落ちるだけだっ


た。もう、これが帰らぬ人はこんな感じやったのかと悟った。


でも雲の上につくとクッションのように柔らかく止まった。


弟は震えながら小声に吐いた。「死ぬかと思ったー」


兄はわいわいと雲の上で遊んでいた。そのとき、誰かの声がした。


「ジ・アース人か、ここで止まるのは、大したもんだ。」


兄弟は振り向くと古代エジプトの服装のようなをした人間がいた。


兄は不思議そうに声をかけてみた。


「あのー君の名は何ですか?また、この世界ってどういう世界ですか?」


弟はオタク感が出たとあきれた。その人はこういった


「わしの名はフィロード・ダルジェンだ、

この世界はスォン・フィマーレという世界だ。

ジ・アースと違い、星でないのだ。」


弟はびっくりしてとっさと質問した。


「スォン・フィマーレという世界は星でないのなら何ですか?」


フィロードはにやりと唇を寄せた。


「星でなく宇宙だ。言い換えるととこの宇宙には星というものは存在しない。」

「まぁ、びっくりすることもないだろう。だってあなたたちは奇跡なんですから」


兄は首をかしげた。


「過去にもジ・アース人もいますよね?」


「いや、ジ・アース人なんて数百年程度しか来ませんよ?」


「えっ、じゃ~50年前のジ・アース人はいますか?」


「その人達はは絶望の暗黒に巻き込まれて真に帰らぬ人となった。」


「はぁ~。僕たちはなぜ無事なんですか?」


「新たに魔法が使えるのではないからですか」


兄弟はびっくりした。まさかと思うようなことができたからだ


「高いほうはたぶんブレイズが使えるような感じで

低いほうはバイオがつかえるようなかんじになるわな。」

「取り敢えずこの世界の都市“アレイバル”に行ってみると分かりますよ」

「んで、二人はせっかく魔法が使えますので空飛ぶ魔法もしてみましょう」


兄弟はまだこの世界についてわからない状態だった。

でもわかったことは地球とは違う世界、魔法が使える世界、

僕たちはジ・アース人であることだ。

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