第100話 ももしきや ふるきのきはの
百敷や 古き軒端の しのぶにも
なほあまりある 昔なりけり
ももしきや ふるきのきはの しのふにも
なほあまりある むかしなりけり
順徳院
訳)
宮中の古びた軒端に生えているしのぶ草(雑草)を見ていると、栄華を誇っていた昔が思い出されて切な過ぎる。
超訳)
宮中の軒端に雑草が生えている。
はぁ、これがかつて栄華を極めた百敷なのだろうか。
悲しくて涙も出ない。
ちょっと一言)
順徳院は99首で紹介した後鳥羽院の第三皇子。
後鳥羽院と共に倒幕の為に起こした承久の乱は失敗に終わり佐渡に流される。
さらに一言)
百人一首を藤原定家に作るよう依頼したのは幕府側の宇都宮頼綱。
後鳥羽院や順徳院とは敵対する立場の人間だ。
定家自身は付き合いがあったとはいえ、敵対する人物の歌を選んだ定家。一本筋が通ってるぞ。
カッコいいぞ。
(百人一首は後世の人々に入れ替えられたとの説もある。
でも定家自身が選んだと言う説を信じたいのだ)
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