第95話 おほけなく うきよのたみに

おほけなく 浮世の民に 覆うかな

我が立つ杣に 墨染の袖


おほけなく うきよのたみに おほふかな

わがたつそまに すみぞめのそで


前大僧正慈円


訳)

畏れ多くもこの私が、俗世の人々を覆ってみせよう。

比叡山に住む私の墨染の袖で!


超訳)

ふはははは、感謝するが良い、愚民どもよ!

この私が比叡山の地に立ったからにはお前達は我が庇護の下に置いてやろう。


ちょっと一言)

学生さん!テストでこの歌の解釈を聞かれても上の通りに書いちゃダメですよ!


これは仏門に入った慈円がまだ若い30代の頃に詠んだ歌。

いいとこの坊ちゃんだった慈円が厳しい修行中に詠んだ歌なのです。

新入社員研修でよくやらされる『お前の抱負をみんなの前で大声で宣言してこい!』って奴で調子にのって叫んだんじゃないかな?


『俗世のみんなは俺が護る!

大僧正におれはなる!』

なんてね(^-^)

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