第90話 みせはやな をしまのあまの

見せばやな 雄島のあまの 袖だにも

濡れにぞ濡れし 色は変はらず


みせばやな をじまのあまの そでだにも

ぬれにぞぬれし いろはかはらず


殷富門院大輔


訳)

あの人に見せたいものです。

雄島の漁師の袖だって、どんなに濡れても色までは変わっていないのに。


超訳)

ちょっとぉ、見なさいよ!

泣き過ぎて血の涙が出てるわよ!

あたし、泣くわよ!


ちょっと一言)

この歌も歌合で詠まれた物。

お題は「恋」

濃い!(♯`∧´)


この歌も本歌取り(古い歌の言葉を使って詠む技法)です。

「松島や 雄島の磯に あさりせし

あまの袖こそ かくは濡れしか」

(あなたに冷たくされて私はこんなにも泣いています。

松島の漁師の袖だってこんなには濡れていないでしょう)


『あまの袖より濡れてる』を突き抜けて『濡れただけじゃないわよ!血の涙よ!』だって・・。

凄い表現だね。

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