第83話 よのなかよ みちこそなけれ

世の中よ 道こそなけれ 思ひいる

山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる


よのなかよ みちこそなけれ おもひいる

やまのおくにも しかぞなくなる


皇太后宮大夫俊成


訳)

世のしがらみから逃れる術なんてないのかな。

思い詰めてこんな山奥に入ってみたけれど、ここでも鹿が悲しそうに鳴いてる。


超訳)

もぉお~ヤダ!

出家する!こんな街出る!

山奥にこもってやる!

俺もう仙人みたいに生きてやるんだ!

・・・おわ~!

ここでも携帯のアンテナ立ってやがる~!泣)


ちょっと一言)

藤原俊成。

小倉百人一首の選者、藤原定家の父。

この歌を詠んだのは27歳の時。

これから仕事をバリバリやっていく世代だ。

もともと出家願望のあった俊成。親友の西行が23歳で出家して羨ましくてたまらない!

しかし出家した西行からは愚痴ばかり?

(この苦しみから抜け出すには出家するしかないと思ってたけど、山奥に行ったら行ったで辛い事ばっかりなんだよな~)

と悟ったのか悟らなかったのか。

とにかく出家は諦めた。

(その後63歳で出家)


この人も91歳まで生きている。

どうなってんだ、平安時代!!

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