もろともにあはれと思へ山桜

花より他に知る人もなし

もろともにあはれとおもへやまざくら

はなよりほかにしるひともなし

大僧正行尊

訳)

山桜よ、お前もひとりなんだな。

お前以外に私の気持ちを分かってくれる者はいない

超訳）

誰が見るわけでもないのにここで静かに美しく咲く山桜よ。

俺の孤独な気持ちを分かってくれるのはお前だけだ。

ちょっと一言)

行尊は修験道者。山岳信仰に基づき山に入り厳しい修行を行い体得した呪力により加持祈祷を行う者なのだ。

誰の目にも触れる事なく山奥にひっそりと凛と咲く山桜。

耐えがたい孤独に耐え修行に励む自分に共感を覚えたのだろう。

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