第67話 はるのよの ゆめはかりなる

春の夜の 夢ばかりなる 手枕に

かひなくたたむ 名こそ惜しけれ


はるのよの ゆめばかりなる たまくらに

かひなくたたむ なこそをしけれ


周防内侍


訳)

春の夜の夢の様に儚い腕枕のせいで、つまらない噂が立ったら大変ですよ。


超訳)

ちょっとぉ!

こんなところで腕枕なんてしたら変な噂が立っちゃうでしょ!ダ・メ・.よ♪


ちょっと一言)

この歌の背景を少々。

2月のある夜、二条院に多くの人が集まって一晩中語り合っていた。

少し眠くなった周防内侍が横になろうとしたら「ほい、うでまくら」と腕を差し出してきた者がいる、大納言忠家だ。

それに対する返事がこの歌。

なんかサークル仲間のうちで遊んで雑魚寝してる時の一幕みたいだね。

青春だ~♪


ちなみに忠家からの返歌がこれ。

「契りありて 春の夜ふかき 手枕を

いかがかひなき 夢になるべき」

(縁があってあなたに差し出した手枕を

夢に終わらせてしまうのですか?)

忠家もしぶとい!



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