大江山生野の道の遠ければ

まだふみも見ず天の橋立

おほえやまいくののみちのとほければ

まだふみもみずあまのはしだて

小式部内侍

訳）

大江山、生野の道は遠いので、まだ天の橋立を踏んだことはありません。

超訳）

大江山は遠いから簡単に行ったり来たり出来る訳ないでしょ。

あの人からの手紙なんて来る訳ないじゃない！

ちょっと一言)

この歌、ちょっと見には意味がわかんないけど、背景を聞くと「かっこいい～」歌なのだ。

小式部内侍とは、五十六夜で紹介した和泉式部の娘の事。

和泉式部は以前にも紹介した通り才気に溢れモテモテの恋多き女性。

その分妬みも多かった。

そしてその才能と美貌を受け継いだ小式部も嫉妬の対象となっていたのだ。

「小式部の歌はみんな和泉式部に作って貰ってる」という噂がまことしやかに流れていた。

小式部がある歌会に呼ばれた時、どっかの男が

「おっやぁ～～小式部ちゃん。

今回もちゃんとママに歌を作って貰ったのかなぁ～～♪」

とからかった。

小式部はそいつの袖口をがっしと掴み、この句を詠んだのだ！

『ふみ』と『文』、『行くの』と『生野』をかけ、風情もある文句の付けようのない歌。

男は返歌も作れずそそくさと逃げ出したとさ。。

かっこいい～～☆

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