第54話 わすれじの ゆくすへまでは

忘れじの 行末までは かたければ

今日を限りの 命ともがな


わすれじの ゆくすへまでは かたければ

けふをかぎりの いのちともがな


儀同三司母


訳)

『ずっと忘れないよ』って言ってくれたけど、さきの事なんてわからないよね。

ああ、その言葉を聞いた今この瞬間に命尽きてしまえばいいのに。


超訳)

あたしもう死んでもいい!

彼が『もう離さない』って言ってくれたんだもん!

今この瞬間が一番幸せ!


ちょっと一言)

当時のやんごとなき人々の恋愛事情は今とは大きく違うのだ!

男は何人でも妻を持てるし愛人も作り放題。女は男が来なくなったらそれで終わり。

(男は男で『会いたくない』って言われたら終わりなんだけどね)


「ずっと愛し続けるよ」という言葉は当時の女性にとってとても重く、すごく軽い物だったんじゃないかな?


「愛の言葉なんて信じられっか!」

「でも嬉しい!本当にずっとあたしだけを愛してくれてる!」

揺れまくる女心!

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