第53話 なけきつつ ひとりぬるよの

嘆きつつ 独り寝る夜の 明くるまに

いかに久しき ものとかは知る


なげきつつ ひとりぬるよの あくるまに

いかにひさしき ものとかはしる


右大将道綱母


訳)

悲しみながら独り過ごす夜がどんなに長く寂しいか、あなたには分からないでしょうね。


超訳)

おっそいのよ!

いつまで待たせるつもりよ!

一体なにさまのつもりよ!


ちょっと一言)

道綱母は蜻蛉日記の作者。

歴史的有名人なのに名前が不明な為『道綱くんのママ』と呼ばれています。


この歌は彼氏である兼家が久しぶりに会いに来た時の歌。

兼家が会いに来たのに道綱母は門を開けない。

兼家が「待ちくたびれた」とボヤくのを聞いて詠んだ歌なのだ。


「あたしが悲しみに暮れて待った時間を何だと思ってるの!

ちょっと待たされたくらいでよくも文句が言えたわね!」と言う感じ。



・・・・自分が嫌な思いをしたら相手にも同じ思いをさせないと気がすまない人、いますよね~。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る