第47話 やへむくら しけれるやとの

八重むぐら しげれる宿の さびしきに

人こそ見えね 秋は来にけり


やへむぐら しげれるやどの さびしきに

ひとこそみえね あきはきにけり


恵慶法師


訳)

つる草が何重に生い茂る荒れ寂れた屋敷。

訪れる人もいないがそれでも秋は来るのだな。


超訳)

祇園精舎の鐘の声

盛者必衰の理を表しちゃったりしてるのかな~。


ちょっとうんちく)

この寂れた屋敷、第十四首を詠んだ源融が造営した豪華絢爛な別荘(河原院)の事なのです。

源融が東北に赴任した時に見た松島湾の光景が忘れられず、その風景を再現するため広大な庭をつくり、わざわざ海水を運んできて塩作りまで楽しんだという。

この歌は源融の死後80年後に詠まれた物です。

時の流れは無情なものですな。


ちなみに河原院、その後荒廃がさらに進み、後には人喰い鬼が住んだとされています。

なんだそりゃ・・・

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