第32話 やまかはに かせのかけたる

山がはに 風のかけたる 柵は

流れもあへぬ 紅葉なりけり


やまがわに かぜのかけたる しがらみは

ながれもあへぬ もみぢなりけり


春道列樹


訳)

谷川に風がかけた流れ留めの柵があったよ。

流れきれず溜まっている紅葉の事だけどね。


超訳)

川を流れてくる紅葉!

流れて行くのも綺麗だけど、溜まっているのも綺麗だよ!

ほら、カメラカメラ!


ちょっと一言)

しがらみ(柵)

今では『世のしがらみ』などと「まとわりつくもの」「逃れられないもの」の意味で使われる事が多いけれど、本来は川を堰き止める為に杭を打ち並べ、それに木の枝や竹などを横に結びつけた物の事をなのだ。

やまがは(山川)

これ、読み方が大事!

『やまかわ』と読むと山と川という意味になります。

『やまがわ』と読めば山に流れる谷川の意味になるのだ。


うん、今回はうんちくっぽいぞ!

( ̄^ ̄)ゞえっへん。

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