第23話 つきみれは ちちにものこそ

月見れば 千々にものこそ 悲しけれ

我が身ひとつの 秋にはあらねど


つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ

わがみひとつの あきにはあらねど


大江千里


訳)

月を見ればあれこれと物悲しくなる。

私だけに秋が来たわけではないのだが。


超訳)

月を見るとなぜこんなに切なくなるの?

あたしのせい?

あたしだけがこんなに切ないの?


ちょっと一言)

大江千里・・この名前をみて思わず

「かぁこわるいふられかぁたぁ~♪」と歌っちゃったあなた!

40代以上でしょ?

分からない人は40代以上の人に聞いてね。


この歌は中国唐代の詩人・白居易の漢詩

燕子樓中霜月夜  

秋來只為一人長  


燕子楼中霜ふる月の夜

秋来たりて只だ一人の為に長し


を日本語風に訳した物。

元の歌は「秋の夜は私一人の為に長い」とあるのを千里は「私一人の秋では無いのに」と歌っています。

日本人としては千里の歌の方がしっくりくるなぁ。

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