第5話 襲撃
キャトルドライブに出発した”ジョン・ウェスト”俺達は追跡者を排除して幌馬車隊に合流し仕事を続けたのだが
アレックス「なかなか来ないわねクソ牛泥棒共。イライラ」
ジョン「あれから10日、もう来ないんじゃないか」
テッド「他の連中もダレてるな」
ガンマン1「なあ、45口径余ってねぇ?撃ちすぎちゃってさぁ」
ガンマン2「余ってねぇよ、他あたれ」
ガンマン1「ケチケチすんなよ、少しくらい良いじゃんか」
ジョン「初めの勢いが嘘みたいだ」
ナッシュ「よーしテメェらここらで休憩だ、コック共は飯の準備しろ」
アレックス「はーい。ああ・・・ヴァンス組がしてるって言うあの赤い帯を早く見たい、ぶっぱなして殺りたい・・・イライラ」
ジョン「休憩には早くないか、日が沈むまでにもう少しは進めるぜ」
テッド「何か考えが有るんだろ。ヒマだからって気を抜くなよ」
ジョン「わかったよ・・・たく」
ちょっと早めの夕食をもらい、さっさと胃に流し込む
ジョン「昨日もベーコン今日もベーコン明日もベェコン、そしてたぶん明後日も・・・・」
テッド「不吉なこと言うな、テンション下がるだろ」
ジョン「実家だと大抵そうだったぜ、今の俺だったらサノバビッチシチュー(内臓煮込み)もおいしく食べられそうだ」
アレックス「サノバビッチシュチューもちゃんと調理すれば美味しいわよ。材料無いけどね・・・牛が何頭か事故死ししないかしら」
ジョン「ん?片付けとかいいのかアレックス」
アレックス「なんかボスが、そんなに殺気立ってちゃ他のコックがビビるからって・・・失礼なイライラ」
テッド「大手を振ってサボれるんだゆっくり休んどけよ。大麻が少しあるが吸うか?」
アレックス「けっこうよ、わたし煙草吸わないの。はぁ・・・コーラ飲もう」
ジョン「薬売りが売ってたところを見たことあるが、頭痛薬が必要なほどストレス溜まってるのか?」
テッド「胃薬の方のコーラじゃないか、ペプ・・なんていったっけ?まあどっちにしろ甘い物が欲しいだけだろ。砂糖が不足してるみたいだしな、このポークビーンズ、豆臭い」
アレックス「うっさいわね~~イライラ。あんたらも飲む?」
ジョン「せっかくだから貰おうかな、実はまだ飲んだことないんだ」
コーラシロップを水で割った物をわたされる
アレックス「本当は炭酸で割る方が美味しいだけどね。あんたは便利屋」
テッド「オレはいい。甘いの苦手なんだ」
ジョン「ゴク・・・なんか奇妙な味だなこれ」
アレックス「慣れれば美味しいわよ。ゴクゴク」
それから就寝時間になったのだが眠れない、なんか妙に頭がはっきりしてる。コーラ飲んだせいか
ジョン「うぅ、交代の時間になる前に寝たいのだが」
アレックス「Zzzz」
ジョン「あいつはよく寝てるな。まぁいつもの事だが・・・ん?」
なにやらゴソゴソ音がする。まさかまたバッタじゃ・・・
?1「へへっちょろいもんだ」
?2「おい、この幌馬車であってるのか」
?3「ダブったらダブったらでいいじゃないか。さっさとやっちまおうぜ」
ジョン「おいマジかよ・・・不審者か」
今すぐ使えるのはホッグスレッグだけだ、二連発でどうやって3人仕留める?散弾でうまくまとめて殺るか、しくじったらアウトだじっくりチャンスを・・・
牛泥棒1「へへへ、即席でこしらえた自警団なんてこんなもんだろ。俺達ヴァンス組にかかれば・・・」
アレックス「そんなに砂糖が欲しいか!?このシュガージャンキーども!!」
牛泥棒1「へ?ぐは!」
牛泥棒2.3「はぐぅ!」
アレックスが調理器具を振り回し牛泥棒を昏倒させる
アレックス「ウヒヒ、とうとう捕まえたわよ砂糖泥棒、毎度盗んでたのは貴方達ね。さあ、どう料理してやろうかし、痛て」
ジョン「目を覚ませ」
アレックス「銃で叩く事は無いでしょ!なに、あんたも砂糖が欲しいの?」
ジョン「そんな事より、こいつ今ヴァンス組とか言ってなかったか」
アレックス「ふえ!?あ、赤い帯してる、こらボンクラ起きなさい!」
牛泥棒1「うう・・・」
ジョン「もってて良かった気付け薬。と言っても目潰し用に作った唐辛子ベースの粉末だが」
「サラサラ」
牛泥棒1「ギヤヤァァァ、目が鼻が口がぁぁぁ」
アレックス「水と命が欲しかったら、あんた等のボスの居所を言いなさい」
牛泥棒1「ばれば、ひゅうば、あだ!」
ジョン「んん、何だって」
「シュ」
牛泥棒がマッチでダイナマイトに火をつけた
ジョン「な!」
アレックス「甘い」
「シュ」
アレックスがナイフでダイナマイトの導火線を切り裂き。ナイフを血が出るまで牛泥棒の顔に押し当てる
アレックス「火の始末が出来ないコックがいると思った?」
「バァァン」
アレックス「ふぇ!?」
牛泥棒1「ぐえ。くっ首踏むな」
ジョン「あっちだ」
幌馬車の一つが勢い良く燃えていた
ナッシュ「火は放って置け!牛を大人しくさせろ。」
「モォーー」
ガンマン1「きやがったか!」
ガンマン2「俺様が狩り出してやる」
「ヤッハーー」
ジョン「あいつ等さっきまでヘタレてたクセに、どこにあの元気が・・・。おいテッド仕事の時間・・・て、いねぇ!」
アレックス「あの便利屋抜け駆けしたわね。ムーーー」
牛泥棒1「ブクブク」
ジョン「早く逃げた牛をもどさねぇと」
アレックス「私たちも出るわよ」
ナッシュ「待て待て、お前らここを離れるな」
アレックス「なんでよ」
ナッシュ「コックを前に出すわけにはいかないだろが」
ジョン「なんで俺まで」
ナッシュ「グダグダぬかすな。こいつ等は俺が縛っておく。テメェラは周りを警戒してろ」
アレックス「行っちゃった」
ジョン「なんなんだ、たく。よっ!」
仕方ないので馬車に上り望遠鏡で辺りを窺う。
アレックス「ジョン、なんか見える」
ジョン「散り散りになった牛をヴァンス組とカウボーイが取合ってる。あとヤバイ奴が一人暴れてる」
ガンマン1「居た!カーターだ」
カーター「おうおう、よくもまあこれだけ馬鹿面揃えたもんだ」
ガンマン2「んだと!」
「タンタンタンタン」
カーター「へっ」
ガンマン3「逃げやがったぞ、追え追え」
「タンタンタン」
「ヒヒーン」
ガンマン1「馬の上にいねぇぞ」
ガンマン2「落ちたか!?」
カーター「お探しかな」
ぶら下ったカーターが馬の腹から顔を出す
ガンマン3「な!?」
カーターの三連射で追っ手のガンマンを瞬く間に撃ち抜く
「タタタン」
ジョン「曲芸師かよ。!ッ」
「ブン、ブァッブァッビューン」
銃弾が通り過ぎた時にでる独特な風切り音に驚き馬車から飛び降りる
アレックス「どうしたの」
ジョン「狙撃された、こっちにも来るぞ」
アレックス「待ってました!」
アレックスが肩にホルスターを着け長いレバーアクションライフル2丁を手に取る
ジョン「そんなに銃もってどうするんだ」
アレックス「いちいち弾込めで時間掛かけてたらその間にやられるわ。私の師匠なんて戦時中は馬と身体に銃を7丁以上括り付けてたらしいわよ」
ジョン「そりゃ戦争の時の話だろ」
アレックス「今の状況とたいして変わらないじゃない。ははは、いくわよ」
カウボーイ1「オイ待て離れるな。ぐっ」
「タンタンタンタンタン」
ジョン「おい、大丈夫か」
カウボーイ1「脇をかすっただけだ、唾付けときゃ直る」
アレックス「怪我人の治療は後回しにして敵を始末して。さもなきゃみんな揃って蜂の巣よ」
ジョン「わかってるよ」
カウボーイ1「ええい、チキショウが!」
「ダンタンダンダンタン」
牛泥棒4「うわっ」
牛泥棒5「デタラメに弾ばら撒きやがって、鬱陶しい」
ジョン「のん気に止まってると」
「タンタン」
牛泥棒4.5「ブヘ」
アレックス「ナイス、ほらアンタはまともに撃てないんだからコイツに弾込めてくれる」
弾切れになった銃をカウボーイに渡し予備のライフルに持ち替える
カウボーイ1「怪我人をいたわらねぇコックだなぁおい」
キッド「ハハ、良いね良いね!撃ち合いはこうでなくちゃ」
カーター「おうキッド、生きの良い奴等が居るのはココか」
キッド「ああ、1人足りないが、そっちには居なかったのか」
カーター「ナッシュのオッサンが居たが牛から離れねぇ。さて、メインディッシュを漁りに行きますかね」
キッド「イシシッ、派手にやろうぜ」
ジョン「ヤバイのが2人いっぺんに来たぞ、どうなってるんだ一体!?」
アレックス「知らないわよ!」
ジョン「あーー畜生。とにかく撃つぞ、殺られる前に殺ってやる」
キッドが小柄な身体と得意なライフルを生かしてジワジワ近寄ってくる
「タンバンタン」
カウボーイ2.3「ぐっ」
ガンマン4「クソ!痛ぇ・・・痛ぇぞ」
キッド「はは、開けゴマ」
牛「モーー」
ガンマン4「!!ッ、ブファ」
牛を守っていたカウボーイがやられ、そこから牛が逃げ出してきた。負傷したガンマンが踏み潰される
アレックス「やってくれるわね、あのチビ」
カーター「オラオラ、さっきの弾幕はどうした」
カーターが血の気の多い部下を引き連れ散開しながら迫ってくる
牛泥棒共「グヘヘヘヘェ」
ジョン「これじゃあ牛が邪魔で良く狙えない」
カウボーイ1「このままじゃ囲まれるぞ」
アレックス「射線上の牛をマイト(ダイナマイト)で吹き飛ばしてやりましょう、そうすればじっくり狙え・・・」
ジョン.カウボーイ1「やめろ!俺たちの食い扶ちをダメにする気か!?」
アレックス「なによ。私が牛をどう料理しようと勝手でしょ、あまった分を汚ねぇタルタルステーキに変えてやるわ、ウェルダンでね!」
ジョン「お前本当にコックか!。・・・・おい、変な牛混じってないか」
アレックス「何が?」
ジョン「なんと言うか走り方が・・・・馬っぽい?」
キッド「ハハハ、まだくたばるには早いぞ。もっと遊ぼうぜ」
牛「ガキはお休みの時間だぜ」
牛の中から手が伸びて銃を突きつけられるハリー
キッド「はぁ!?」
テッド「ラバに牛の皮を被せて隠れてたんだ。良いアイディアだろ」
キッド「テッド・ギャロット様サマか。アンタには一度会って見たかったんだ。サインくれるかい?」
テッド「シャツに間抜けって書いてやるよキッド。銃を捨てな」
キッド「あいよ。てっ、痛てて!コラそんな強く縛るな!」
銃を捨てたハリーを縛り上げるテッド
カーター「ちぃ!キッドの射撃が止んだな」
牛「そりゃあ今頃身動きとれないだろうぜ」
次々と牛の中からガンマンが出てきてカーターを囲む
牛泥棒6「カーターのアニキ!何か有ったんで」
ガンマン「雑魚に用は無い」
牛泥棒6「なんでこんな所に!?ギャヘ」
周りの牛泥棒がガンマンに駆除されていく、突然の伏兵に混乱して一方的だ
テッド「おーい、ジョンーアレックスゥー見てるか、やってやったぜ」
テッドがこっちに手を振っている
ジョン「テッドのヤツ居ないと思ったらあんな所に」
アレックス「あーー・・・・出遅れた、完全に出遅れたわアタシ」
ナッシュ「ゥオーイ、予備の牛追い共、牛戻すの手伝え。もたもたして牛逃がしたら給料から引いてやるからな」
ジョン「じゃあ俺、行って来るわ」
カウボーイ1「待て、俺も行くっ痛ててて」
アレックス「ちょっと待っちなさい、今軽く手当てしてあげるから」
馬に乗り牛を戻す手伝いに走る
ガンマン5「銃を渡しなカーター」
カーター「あー、はいはい」
カーターが銃のグリップを向けガンマンに差し出す
ガンマン5「へへ。・・・へ?」
ガンマンがグリップを掴もうとした瞬間グリップが消えた。それと同時にガンマンか力が抜けていく、撃たれたのだ。カーターが倒れて来たガンマンを支えて、ガンマンの耳元で何か囁いている
カーター「人が一番弱くなるのは勝ったと思った時だ。優越感は勘を鈍らせる」
ガンマン6「ヤロォ」
カーター「そいっ!」
上下逆さに握った銃を小指を使ってスピンさせ片手で連射する。ハンマーを手に引っかけたまま銃を回転させコックすることで片手での連射を可能にしてるようだ
「タンタン」
ガンマン6「うぐ」
カウボーイ4「うわ」
ジョン「ナンなんだよアイツ・・・」
END
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