第2話 レッドウッドサルーン 前編
とある小さな農場、そこに雇われた俺”ジョン ウェスト”
ジョン「むにゃむにゃ・・・・ん?」
昨日パイプを吸った後、疲れてイスに座ったまま寝てしまった様だ。家の中に人の気配は無い起き上がり背伸びをする
ジョン「ん・・・んーーーーっ」
机の上に冷めたコーンブレッドが在った、パンをかじりながら家の外に出ると、じいさんとアリーが昨日仕留めたバッタを馬車に積んでいた。
ジョン「おはよう、モグモグ」
アリー「あ、ジョンお兄ちゃんおはよ」
じいさん「おお、起きたか」
ジョン「モグモグ・・・ゴクッ、コイツをどうするんだ?」
じいさん「町に売りに行くんじゃ、こんなんでも多少は金になるしの」
ジョン「起こしてくれりゃあ手伝ったのに」
じいさん「おまえさんに働いてもらうのはこれからじゃ、2回往復することになるしエサを狙って襲ってくるモンスターも増えるはずじゃ」
アリー「わたしも一緒に行くのよ」
ジョン「はは、そいつは頼もしいな」
アリー「ねえこれできる」
ジョン「ん?」
アリーが銃を担ぎ手鏡を持つ
「タン」
アリーの後ろにあったビンが砕けた
ジョン「おお曲撃ちか初めてみた」
アリー「やり方さえ解ればお兄ちゃんでもできるわよ」
じいさん「ああ、後言い難いんじゃが・・・」
ジョン「おう?」
じいさん「コイツを届けた終わった後やめてくれんかの」
ジョン「ええ!?そりゃないぜ!」
じいさん「誰かさんが考えなしに散弾バカスカ撃ちまくるから畑の被害が大きくて人を雇う余裕がないんじゃ、できるだけ多めに払うからかんべんしてくれぃ」
ジョン「ちょっと待て、じいさんが真っ先に特攻していったんだろうが!」
じいさん「ワシの銃じゃあんなに散弾が広がらんわ!鳥撃ち用の弾ばかりばら撒きおって昨日の騒ぎで明日納品するはずだったモロコシがパアじゃ苦しんじゃわしも」
鉛球でグジャグジャになったトウモロコシを蹴飛ばすじいさん
ジョン「カァーーッ、ついてねぇ」
俺たちは馬車に乗り町へ出発する、途中モンスターに襲われたが殆んどアリーが仕留めていった、俺は弾込めするアリーの援護ぐらいしかできなかった・・・のだが、途中から趣旨が変わって天才アリー様によるライフル教室になっていた。
アリー「お兄ちゃん、ストックが身体から離れて銃がフラフラしてるわ、ちゃんとス
トックを身体に着けて銃を支えて」
ジョン「ああ、わかってるって!おお!」
よそ見をしていると目の前にコヨーテが飛び掛ってきた
アリー「えい」
「タンタンタン」
コヨーテ3匹を難無く撃ち落すアリー、相変わらず見事な腕前だ
ジョン「ひえーアブネェ」
アリー「お兄ちゃん前ヤツお願い」
ジョン「ああ!みてろぉ・・・」
大分距離があるが、俺でもどうにか当てるられるだろう
大分距離があるが、俺でもどうにか当てるられるだろう
「タン、タン、タン」
2発外したが1発当てた
アリー「狙うときに片目を瞑る癖直したほうが良いわ、的にウインクしたって当たってくれないよ」
ジョン「わかった、わかったって・・・」
アリー「お兄ちゃん上、鷹が飛んでるから撃ってみて」
ジョン「おいおい、ありゃいくらなんでも無理だって!」
アリー「やる前に諦めてちゃ前へ進めないわ。れっつとらい」
こんな感じで森を進みやっと広い荒野に出る事ができた、もうアリーの講義で耳にタコだできそうだ
ジョン「それにしてもバケモンがやけに多かったな、食いもん積んでるとこんなに違うもんかなのか?」
じいさん「うちのトウモロコシの時より繁盛してたのぉ、ほほほほぉ!・・・バッタのくせに、害虫が」
じいさんから殺気を感じる、余程バッタが嫌いなようだ。町に着くと肉屋に迎い店の前で馬車をとめ店員を呼ぶ
肉屋「こいつは大量だな、そこのに兄ぃちゃんがやったのかい」
ジョン「ここにいる3人がかりでやったんだ」
肉屋「へぇ!じいさんとお娘ちゃんがいたとはいえたいしたもんだ」
アリー「ちょっと!わたしが一番頑張ったんだからね!」
肉屋「はは、そうかそうか、がんばったなお娘ちゃん」
アリー「ぜんぜん信じてないでしょ、その言い方」
じいさん「アリーの射撃の天才じゃよ、わしの自慢の孫じゃ」
肉屋「はは、それじゃあじいさん馬車を店の裏まで移動させてくれ荷物はそこで降ろすから」
アリー「・・・・お兄ちゃん銃貸して、あの咥えタバコ撃ち落としてやる」
ジョン「おいおいやめろよ街中で」
アリー「むーーーーー」
じいさん「アリーお金を渡すから荷物を下ろす間隣の店で甘い物をでも買って休んでくれ、疲れたじゃろ」
アリー「はーーい」
自分のライフルを取りサルーンに入るアリー、俺とじいさんは馬車を移動させ荷物を降ろす
じいさん「アリーの相手をしてくれてありがとうな」
ジョン「ん?ああ、あの射撃教室のことか、気にすんなよ」
じいさん「射撃のできる友達がおらんからはしゃいでしまったんじゃろうな」
ジョン「はは、じいさん射撃音痴だしな」
じいさん「やかましいわい、おまえさんこの後どうするつもりじゃ。遺跡でも発掘するのか、それともモンスターでも追いかけるのか」
ジョン「いやまだ決まってないが、んーーそうだなぁ、列車にでも乗ってちがう町にいでも行くかな」
じいさん「あの駅は政府専用じゃよ、一般には開放去れとらん。アイリーンまで行けば一般でも好きに乗れる列車があるはずじゃが少し遠いぞ」
ジョン「わかった」
じいさん「またこの辺りに来ることがあったらうちに遊びにこい、アリーも喜ぶ」
ジョン「ああ、そん時は必ずよるよっと」
最後の荷を降ろす
肉屋「これで最後か」
じいさん「まだまだ農場にある、もう一度くるから待っとくれんか」
ジョン「うっ、そうだった」
アリー「おじいちゃんもう終わった?」
ジョン(ビク)
じいさん「ああ今呼びに行こうとしてたところじゃ、さあ出発するぞ」
アリー「うん!、お兄ちゃん次のレッスンは前回の応用編よ。ふふ」
ジョン「ひぇ~~~」
じいさん「気色悪い声出しとらんでさっさとのれぃ」
そして俺はまたあのコースをもう一周、もちろん地獄の射撃訓練つきである。ああ今日はホントついてねぇ
ジョン「あー、やっと終わった」
じいさん「ほれ、お待ちかねの給料じゃ」
ジョン「おお、こんなに良いのか」
じいさん「バッタが思ったより高く売れたんでな、大事に使えよ」
ジョン「ありがとな、じいさん」
アリー「お兄ちゃん元気でね」
ジョン「ああ、アリーも射撃大会がんばれよ」
アリー「まかせてよ!」
じいさん「じゃあたっしゃでな、やあ!」
じいさんが馬車を発進させ農場に帰っていく、さてこれからどうするか。やっぱ弾薬を補充しないとな、身が軽くなったのはいいがこれじゃあ狩もできやしない。その後宿を取って休むか、細かい事は明日考えればいい
肉屋「なあ兄ちゃん、ちょっといいかい?」
考え事をしてると誰か話しかけてきた
ジョン「ああ、なんだ」
肉屋「お得意さんの牧場主が人手を探していてね、西に良くならついでに稼いでいかないか?」
ジョン「何の仕事だよ」
肉屋「ああ、キャトルドライブさ、二千頭の牛を二週間かけてアイリーンの町に移動させるんだ。興味あるかい」
ジョン「じいさんの言ってた町か。いいぜ詳しく聞かせてくれ」
肉屋「おしきた、この先の大通りあるレッドウッドサルーンのバーテンに肉屋のルイスの紹介で来たと言えばいい、そこで話を聞いてくれ。でかい店だすぐわかる」
ジョン「OK、行ってみるよ」
早速サルーン場所を確認しに大通りに向かう、肉屋の言うとおり直ぐ見つかった、三階建てで横幅もひろい、サルーンというよりホテルに近い感じだ
ジョン「へぇーたしかにでかいわ。さて近くにガンショップはないか・・・お、在っ
た在った」
三軒先にガンショップを見つけた、仕事をもらいに行くのにガンベルトがスカスカじゃあカッコがつかない、まずは弾の補充だ
ガンスミス「いらっしゃい、銃をお探しで?」
ジョン「いや弾のほうだ、44-40弾を90発、あと12ゲージのバックショットを40発にバードショットを10発くれ、紙薬莢のやつな」
ガンスミス「はい、これとこれっと、・・・はい20ドルになります、 お客さん拳銃はお持ちですか」
ジョン「いや」
ガンスミス「なにかと物騒な世の中、身を守るのに拳銃は必需品ですよ、こちらの銃はいかがでしょうか、B&Wの新作で44-40弾が使え、中折れ式で弾の排莢もスムーズに行えるすぐに行える優れものです」
ジョン「そんな持ち合わせがないんだ、弾だけでいい。弾はここでベルトに挿して行っていいか」
ガンスミス「ええ良いですよ」
ジョン「ああそうだコイツを最近買ったヤツいなかったか」
ガンスミス「オートマチック用ですね、9パラ・・・いえもっと長い薬莢ですね。申し訳ありませんが当店ではこのタイプ弾は扱っておりません。お取り寄せしますか」
ジョン「いやいい、ありがとう」
ガンショップを出てサルーンに向かう、丁度腹も減ったしなにか注文するか中に入りカウンター席に座る
バーテン「なんにする」
ジョン「コーヒーにウイスキー垂らしてくれ、あと魚のフライを山盛り。肉屋のルイスの紹介で来たんだが」
バーテン「ああ頼んどいた用心棒か」
そう言ってコーヒーを置くバーテン
ジョン「ん?肉屋からはキャトルドライブの仕事だときいてるんだが」
バーテン「ああ最近牛泥棒が出るんで適当なガンマンを探してたんだが。牛を扱えるのか?」
ジョン「実家でカウボーイをやってた、そっちの方が本業だよ」
バーテン「肝心の銃の腕は?」
ジョン「ライフルはそれなりに自信はあるよ。腕のいいヤツに習ったばかりだからな(女、しかもガキに習ったなんて言えないが)」
バーテン「ふむ、カウボーイは足りてるんだが・・・・」
酔っ払い「オッラァァ!」
「バン」
店の客の一人が発砲した、どうやら酔ってるらしい。銃を抜き対応しようとしたガードマンにバーテンが待つよう合図を送る
バーテン「おい、腕に自信があるならアイツを止めてみろ」
ジョン「えっ俺が!?」
酔っ払い「どいつもこいつも俺を見下しやがってチクショウ・・・あぁん」
酔っ払いと目が合ってしまった
酔っ払い「何見てんだ」
ジョン「あっ、やべぇ!」
客「おい!俺のつまみ!」
隣の客の皿を酔っ払いの顔に投げつけて怯んだ隙にライフルで相手の銃を撃ち落す。
「タン」
酔っ払い「てっ、なめやがって!」
俺に近づきナイフを抜こうとする酔っ払い。だが相手がナイフを掴む前に柄の部分を吹き飛ばす
「タン」
酔っ払い「お?おろ?」
わけもわからず空気を掴む酔っ払いを銃の先で突いき、尻餅をついた酔っ払いの目の前に銃口を突きつける
ジョン「次は頭だ」
酔っ払い「ひぃ」
「ガッ」
酔っ払いを銃のストックで顎を殴りつけ店の外へ引きずって行く
酔っ払い「畜生!俺が何したてんだ!」
ジョン「黙れ酔っ払い、よっと!」
襟とズボンを掴み酔っ払いを外に放り投げ、席へ戻り残ったコーヒーを飲み干す
バーテン「お疲れさん!なかなか面白い物を見せてもらったよ」
「トン」
ウイスキーのビンを目の前置くバーテン
バーテン「コイツは俺のおごりだ、コーヒーじゃあ味気ないだろう。出発は三日後、それまで二階の204号室を使ってくれ。あんたさえ良ければここの用心棒も頼みたいんだが」
ジョン「出発まで暇だしな、その間なら引き受けるよ」
バーテン「よし決まりだ、この書類にサインしてくれ。読み書きはできるか?」
ジョン「ああ大丈夫だ。えーとぉ・・・」
書類に目を通しサインする
バーテン「ジョン・ウエストか、よろしくなジョン」
ジョン「よろしくな。ところで・・・」
バーテン「ん?なんだ」
ジョン「魚のフライがまだこないんだが」
バーテン「ああ、すまん!隣の客の料理を急いで作ってるから少し待ってくれ」
ジョン「もしかしてさっき投げたヤツか」
隣の客にちょっと睨まれた
バーテン「ジャーキーなら直ぐ出せるが」
ジョン「ああ、たのむ」
バーテン「はいよ、わるいな」
仕方ないのでジャーキーをつまみにウイスキーを飲む
ジョン「・・・・腹減った」
END
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