第30話選択

 さてエリスが来る迄少し時間がある。


 俺は今自分の部屋のベッドで寛いでいた。(部屋が広すぎて1人一部屋でも、なお部屋が余るという大きさに最初は引いた)


 メニューでも覗くか…(アレからちょくちょく神からメールが届いて、メニューが更新されていた。)


「うーんと…ん?」


 俺の目にとまったのはヘルプの3文字。ロクな事書かれてねぇなと予想しながら、開く。


 いくつかの単語が並んでいる。そこをタッチすると詳細が見れるのだろう。


 …紹介しよう



 ・EXPの獲得条件



 EXPは経験値の略です。経験値の入手は簡単。


 ・人は存在しているだけで空気抵抗に襲われているので毎秒1EXPが入ります。


 ・人は歩く度に地を蹴るので歩行中毎秒1EXPが入ります。


 ・戦闘時は相手を殺さなくても経験値は貰えます。(但し殺した方が多い)


 etc



 ……最初2つ、クソゲーじゃねぇか。


 見る気も失せたのでステータスを開く。



 サイト Lv15 職業:ニート


 腕力500 脚力(蹴りの威力はこちらに依存)300 魔力100


 呪力50 器用1000 特殊能力:創造



 こんな感じ…おい、誰がニートだ!


 そして器用が無駄に高い上に、HPとMPがない。いやMPっぽいのはあるがHPがない。


 まあゲームっぽくはなってるが異世界というだけで現実には変わりないから仕方ないか…


 レベルやステータスについては、神がこの前修正入れて来たので下がってる。



 コンコン



 ‼︎来た…現実逃避で神に文句言ってたら来やがった。


 選択肢は『ピロリロリーン』どれを選ぶか…


 …メール寄越しやがった。あいつらKY過ぎるだろ。


 さっと確認。下に記す。



 ミッション:選べ。


 1,告って初夜


 2,振って除夜



 は?2番何?


 とりあえず無視して、部屋の扉へ「どうぞ」と言う。


 エリスが入って来た。……なんか凄く目が輝いてる気がする。


「サイト様。お話とは何でしょうか?」


 聞いて来るエリスに対して…


「ああ、俺はお前の事が好きだ」


 俺は告った。そう俺は1番を…


「ただ、今はお前に手を出す事が出来ない。お前が一国の王女である以上は責任が付き纏うからな。俺は国に縛られたくない」


 選ばず、3番を創った。


「私は…私はサイト様の事が好きです‼︎幼い頃に初対面にも関わらず優しくして下さったあなたが…‼︎私は、父以外の殿方に優しくされたのは初めてでした…ですから何年経ってもあなたの元へと通い続けました」


 ちょっと重いな…


「サイト様は『今は』とおっしゃいました。では、いつになったら私と結ばれて下さるのですか?」


「俺は…、お前を国から…ラステリカから切り離そうと思っている。ちゃんとお前のクソ親父を納得させてからな。だからこの学校を卒業する迄待っててくれ。そしたらお前の親父と話し合って来る」


「サイト様…」


 感極まったようで、泣き出すエリスを俺はにこやかに見つめていた。


 ……後で、扉に耳くっつけてる2人と、天井裏にいる奴を、きっちり締め上げようと決意しながら…




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