幕間

 場所:ラステリカ国境警備隊の詰め所(西)


 時刻:午後10時頃



「こちらに騎士団長はいらっしゃいますか⁉︎」


 顔馴染みの伝令兵が詰め所にやって来た。


「おう、今いるぞ2階の執務室だ」


 門番からそれを聞いた伝令兵はお礼も言わず慌てて2階へ上がって行く。


 ✳︎


 同時刻,執務室



 ダンッ


 扉を乱暴に押し開き伝令兵が駆け込んで来た。


「大体予想しているが、何だ?」


 部屋の中にいた巨漢の男が問いかける。


「国境より2キロ先に武装集団を確認‼︎数は20万‼︎奴らかと思われます‼︎」


 伝令兵が早口で告げた内容を吟味しながら男は問う。


「破壊対象は?」


「はっ!それが……こちらに背を向ける形で行軍準備をしている事から、破壊対象はマレフィセント魔法学校かそれに近しいものかと…」


 そう言って男の指示を仰ぐ。


「………偵察部隊のみ派遣。動向がわかり次第、連絡しろ。その他の全部隊は各自武装のもと大門にて待機」


「国王陛下へは…」


「陛下は愛娘が反抗期に入ったと言って拗ねている。今連絡しても意味はない」


「はっ!失礼しました‼︎」


 伝令兵が出て行った後。


「騎士団が連れて来た盗賊を見た時から予想していたが…やはり動いたか『ムカデ』よ」


 男は1人呟いた。


 ✳︎


 同時刻:魔法学校校長室



「これは…やばいですな」


「このままだとこの学校の最新記録ですね」


「それだけは阻止せねばな…」


 この3日後に、彼らのもとへ一通の手紙が届く。


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