第29話日常と苦悩(苦ではないが…)

「あー、まあ簡単に言うと、神に選ばれた人間が、俺だったっていう…おいその可哀想な人を見る目を止めろ」


 はい。現状説明。俺に指摘されて、顔を赤くした光が起きた後。光と夜月を紹介して、簡単な説明をして俺が可哀想な人を見る目で……俺は可哀想じゃない‼︎


「つまりお前は、神に選ばれ、恩恵を受けて、ゲームをさせられ、その為だけにこの世界が創られたと言うのか?」


「そうだな」


「…私の手裏剣、頭に当たってませんよね?」


「すぐに医者の手配を…」


「お前等の俺への信頼度はどうなっているんだ⁉︎」


「会って1日経っていません」


「私は2日ですね。闘って悪人ではないとは、わかっていますが、頭がおかしい兆候はいくつか…」


「ねぇよ‼︎」


 まあ、こんな感じで話しが進まない。


「よし‼︎なら今日…は無理だから今度証拠を見せてやるよ‼︎」


 と言うことで今日はアンジェが作った飯食って寝た。


 ✳︎


 ここからは箇条書きで書いていく。


 ・学校生活1日目


 実技の授業で水を出す魔法を習った。頑張ったら、掌から一滴水が出たが。モブが水道の様に出していたので、洪水クラスの水を創ったら滅茶苦茶怒られた。



 ・学校生活2日目


 低威力の魔法なら使える様になった。



 ・学校生活3日目


 魔法の威力を向上させたいので、先生に聞いて図書館に行った。片道1時間かかった。この学校の広さおかしい。



 ・学校生活4日目


 なんか異常に眠くて、殆どの授業で寝た。今日だけで80回位電撃を貰った。



 ・学校生活5日目


 学校上空にワイバーンの群れが襲来。結界のおかげでこちらは動物園気分。臨時でワイバーンの生態観察の授業をやった。



 ・学校生活6日目


 何かエリスの様子が変な気がする。



 ・学校生活7日目


 なんか授業中エリスがずっとこっちを見ている。何かついてるか?



 ・学校生活8日目


 奴隷の2人と契約を交わした。内容は、俺が無事に日ノ本まで送り届ける代わりに、俺の奴隷という立場を受け入れるというもの。



 ・学校生活9日目


 調合の授業を受けた。下級ポーションの作り方を覚えた。



 ・学校生活10日目


 エリスがなんか睨んで来る。俺何かしたか?夜になったらアンジェに相談しよう。


 ✳︎


「アンジェいるか?おーい」


 俺は今、部屋のあちこちの扉を開けてアンジェを読んでいた。


 エリスは光と夜月と職員室へ呼び出し。


「おーい。あ、いた」


 脱衣場の扉を開けたらアンジェがいた。


「なあ。少し聞きたいk」


「出てけー‼︎」


 追い出された。


 しょうがないのでリビングで待っていると、少し怒っているアンジェがやって来た。


「お前は毎日毎日人の風呂を覗かないと気が済まんのか‼︎それに照れもせずに堂々と質問してきおって」


 結構怒ってた。


「いや、最初は驚いたけど。よく考えたら『裸じゃないからエロくないな』という結論に達して平気になった」


「こいつ‼︎…まあいい。質問とやらを言ってみろ」


「ああ、最近エリスの様子がおかしいんだが…何か知らないか?」


 エリスに直接聞く訳にもいかないのでアンジェが知らなかったらどうしようも無い。


「ああ、知っているぞ」


「本当か‼︎何でだ?あいつ、最近俺をずっと威圧して来るんだよ!俺あいつに何かしたか?」


「逆だな。お前が何もしないからだ」


「は?」


「今エリス様には、国王陛下から帰国命令が降っている。だが、エリス様はその命令を無視して、お前が自分に手を出して来るのを待っていた」


「何でだ?」


「わからないのか?まず初日に言った事だが、エリス様は陛下から、お前の籠絡任務を受けていた。政略結婚も王女の仕事だからな。そして一番の要因は、11年前。当時4歳だったエリス様とお前が出会った事だ」


「何でそれが理由になるんだ」


 薄っすら理解しつつも確証が持てずアンジェに聞いた。


「少し考えればわかる事だ。箱入りのお姫様が、初めて会った家族以外の男に優しくされたら…」


「…少女漫画の展開か」


「責任とって手を出すんだな」


「一応、お付きの者として止めたりは…」


「王命だから私に口出しする権限は無いな」


 くっ、退路を断たれた…


「…わかった。部屋にいるからエリスが帰って来たら、俺の部屋に来るように言ってくれ」


 そう言って、俺は何て言おうか悩みながら部屋へと戻った。

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