第19話モブキャラ登場

 俺は後ろ2人に感謝されつつも教室を覗く。もちろんバリア展開中だよ?


 ドオォォォォォン


 視界が真っ赤に染まった。


 死んだ?違う。噴き出した火炎がバリアを覆っただけだ。


 解除してたら死んでたな…


「なあ、この爆発威力上がってないか?」


 この問いに対して2人の答えは…


 コンコン


「硬いですね」


 答えは…


 コンコン


「そうですね姫様。これ程の硬さ…アダマンタイトでも砕けませんね」


 答え…


 ドンドン


「これ程のもの…一体どれだけの魔力が…」


 答…


 ガッガッ


「おそらくザッハヴェルデの巨大魔法石よりも多くの魔力が必要な筈です」


 こ…


 ペチペチ


「まあ、それではサイト様はやはり…」


 ………。


 チャキッ


 キーン


「可能性は低いですが0ではないかと…」


「バリアで遊んでんじゃねぇよ⁉︎何で途中から破壊しようとしてんの⁉︎コレないと熱波と煙で死ぬよ⁉︎そして無視しないで‼︎」


 内側に反射が効いてなくて良かった…


「エリス・アンジェ話し聞け‼︎」


「サイト様私はアンジェという名前は入っておりません‼︎」


「私とエリス様を混ぜるな‼︎」


 何で俺怒られた⁉︎


「………帰りたい」


「それにしても遅いですね。まだ、入ってはダメなのでしょうか?」


「サイト。このまま突入…」


「3人とも入って来い」


 アンジェが提案しようとしたとき、丁度先生から合図がきた。


 俺→エリス→アンジェの順で入室する。そこで気になったのは…


(何故あれだけの爆発があったのに室内はほぼ無傷?)


 そう窓と扉以外無傷なのだ。一応この校舎木造なんだが…


 教室には15人程の生徒(数えるの面倒いから適当)


 室内は田舎の学校の様な感じだ。


 そして先生が教壇で手招きしている。


 先生の足元には1人生徒がダウンしているが、俺が疑問に思った事全てに、後ろの2人が反応しないので俺もスルー。


 とりあえず教壇の横に並んだ。転校なんかした事無いからアニメを参考にした。(異世界で正しいかどうかは保証出来ないが…)


「今日から一緒に学ぶ事になった…」


 先生がこっちに振ってくる。


「サイトです」


 みんな『ふーん』って感じ


「エリス・ラステリカ・フィールです」


 男が『おおー』(死ね)、女が『ひそひそ』


「エリス様のメイド兼護衛を務めますアンジェロ・リミグラムです」


 男:同じ(死ね)、女:憧れの目線?


 さてここで説明しよう。この世界の名前は基本3種類。


 平民は名前だけ、貴族は名前・苗字、王族は名前・家名・苗字だ。


 おわかり頂けただろうか?わからない奴は、男共と同類。


 まあコレが身分差だ。


 自己紹介(名前言っただけ)が終わると同時に先生に踏まれて…、アレ踏まれてたっけ?(まあ良いや…)生徒が起き上がった。


「おい貴様‼︎何故貴族に対して跪かない?無礼ぞ‼︎」


 は?知るか‼︎


「お前が貴族なんて今始めて知ったし、そもそも名前も知らない奴に跪く義理は無い」


「ならば、名前を聞いて跪け‼︎我が名はモンブル・キャラクトールである‼︎」


「ああモブキャラか…」


「モブキャラって誰だ⁉︎」


「1・3・6・7・8文字目を読めばモブキャラじゃん」


 名前長ぇし…


「略すな‼︎貴族に向かってその態度…」


「じゃあ、モブで」


「減った⁉︎名前減った⁉︎この俺の尊い名前を侮じょ…」


「しょうがないな〜モブキャラで良いよ」


「良し、その喧嘩買ってやる‼︎」


「だって。誰?こいつに喧嘩売ったの?」


「お前だよ‼︎貴様だけは許さない。そもそもこの学校に平民を入れる事自体反対なのに、この様な奴を入れる等…」


 そう言いながらいきなり魔法をぶっ放すモブキャラ…。こいつが一番ヤンチャなのか…年齢同じだよな?


 顔はイケメン、髪は金髪、体はスマート、…性格さえ良ければな〜。


 …リア充じゃねーか。


 とりあえず迫り来る火球をどうにかしますか…。


 面倒い…。










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る