第15話到着

 古龍に乗って5分で魔法学校上空に到着した。ピクシーによると、この星は地球の1/4程の大きさで一つの国が大体日本の本州と同じ大きさらしい。

 なので、その隙間である無管理地帯、魔法学校からは水平線上に薄っすらと壁が見える。


 因みに盗賊は縛ってアジトの中に放置してきた。逃げた人が兵を呼んだら餓死は免れるだろう。


 さて、魔法学校はかなり広い。一般の公立高校を想像して欲しい。それを20倍位の大きさにした感じが魔法学校だ。


 真ん中に広場があったので、そこに降りることにした。


 古龍の体は小さな村4つ分位だ。古龍が降りたら確実に魔法学校が潰れるだから俺は広場にマットを創った。高跳び等で使うあの分厚い奴だ。そして、放心状態の学生と教師を落として、自分も飛び降りる。


 娘達(笑)にはこのまま帰るように言ってある。


 飛び降りてから辺りを見渡すと俺達は包囲されていた。


「何者だ‼︎魔法学校への進入は即処刑も許されると知ってのことか⁉︎」


 老人が凄い大声で怒鳴ってくる。


「…おい、あんた教師だろ?早く弁解してくれ」


 俺は放心状態の教師を揺する。そうすると…。


「あれ?ここは魔法学校?」


 正気に戻ったようだ。


「今着いたんだがなんか怒られてさ〜。あいつ何とかして」


 そう言いながら未だに何か言っている老人を指差す。時間は7時位なので相手のシルエットしか見えないが、そこは同僚、声だけで誰かわかったらしい。


「すみません校長。只今戻りました」


 へー。校長だったんだー。


「その声はマース先生ですか?何があったのですか?」


「その前に場所を変えません?」



 ✳︎



 ところ変わって校長室。事情を説明して今は校長の反応を待っている。


「なるほど。お話はわかりました。マース先生には休暇をあげましょう。ゆっくり休んで下さい」


「ありがとうございます」


 そう言ってマース先生は退室していった。校長室には俺と校長の2人きりだ。


「さて、マレフィエール魔法学校へようこそ。して、あなたは何用で此処に?」


「編入手続きをしたんですが…、名前は最人です」


「ふむ、少し待って下され」


 そう言うと校長は机の棚の書類をめくっていくそして一枚の紙を持ってきた。


「確かに手続きは済んでおります。今回はマース先生並びに生徒達を助けて下さりありがとうございました。学生寮は無料にしておくので今日からお使い下さい。なお、授業は明日からでなので、9時半頃に2-1へ行って下さい」


「わかりました」


「学生寮への案内は要りますか?」


「いえ、上から見てそれらしき建物を見つけたので大丈夫です」


 何号室か聞かないといけないか?と思い聞いてみる。


「ところで部屋はどの部屋ですか?」


「プレートがさがっていない部屋ならどこでも構いませんよ」


「わかりました」


 そうして部屋を出た俺は寮へと向かう。


 5分ほどで着いた寮はデカかった。


 叫ばずにいられたのは精神安定の恩恵だろう。


 俺は寮の中に入る。外に『学生寮』と書いてあったから大丈夫だろう。


 入ったらすぐに大きなロビーがあった。両サイドに階段があり奥へと続いている。俺は右の階段を上って奥へと進む。そしてプレートのない部屋を見つけそこに入った。


「ふー」


 一息吐いてから俺はベッドで寝転がる。歩き疲れたからしょうがないだろ。


 そして俺の意識は闇へ沈んでいった。


 …起きたら何があるかも知らずに…。

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