第14話地下室の先…

 階段を降りた先は小部屋だった。


 小部屋には所狭しと食料が置かれ、階段と扉を結ぶ道を除き、床が見えなくなっている。


 ここにある食料は、後で倉庫ストレージに入れようと思いながら扉を開ける。


 扉の先は牢獄だった。女が多数と、盗賊らしき男達が分けて閉じ込められている。女達は怯えていたが、服装から俺が盗賊ではないとわかると、警戒しながら俺に縋る様に視線を向けて来た。因みに今は制服を着ている。替えがないので、この世界に来てから着替えていない。マントは付けてるが…。


 とりあえず、この雰囲気が嫌なので…。


「上の奴等は征圧したんだが…。出たい奴いる?」


 もちろんこぞって出たがるわけで…。


「じゃあ檻から離れてね〜」


 離れたのを確認してから檻の周りの熱量を上げた。高熱を創っただけだ。檻が溶けて、入れられた人達が、いきなり檻が溶けた事に驚きながら出て来た。


「皆逃げて良いよ。あ、魔法学校行く人がいたら残って」


 ピクシーは魔法学校の位置を知識としか知らないのでこれは保険だ。


 結果大半が御礼を言いながら逃げて、残ったのは女が8人だ。俺と同年代が7人で残り1人は凄い美人だ。服と目的地から考えて生徒と教師だと思う。


「俺、今から魔法学校行くんだけど…。一緒に来てくれない?」


「助けて頂いた事には感謝しています。しかしここは山の中腹らしき場所、距離から考えて魔法学校まで3日はかかります。私達はそんな距離を行く程食料を持っていません」


 女教師が言った言葉に納得しかけた俺だったが…。


 ん?何で俺歩いてるの?俺色々移動手段あるよね?今まで歩いた意味って…。


「ああ、気にしなくて良いよ…。すぐ着くから…」


「何故落ち込んでいるのかは存じ上げませんが、仰ってる意味がわかりません」


「待ってて…」


 俺は娘達を呼ぶ事にした。


「はぁ…。我が契約に従い…。面倒くさっ‼︎誰だよこんな文考えた奴…。来い俺の子供達‼︎」


 呪文が面倒いから位置を特定してワープゲートを開く。因みに魔法学校には開けない。位置がわからないからだ。ドラゴンは契約の効果で位置がわかるのだ。


「ん?何だ?この白くて硬いの…」


 どこからともなく声がする…。


『もっと広げて下さい』


「ん?ああ、これ角か…‼︎デケエよ‼︎お前等人化しろ‼︎」


 そうして召喚されたのは美少女4人…!


「数増えてない?」


「あの後、合流したんです」


 なるほど、そういう事か。納得。


「龍化してくれ」


「了解」


 4体が龍化して女性人の方を向くと、全員凍っていた。


「どうしたんだ?」


「人を移動させる転移は、最上級魔法のはず…。なのに呼んだのは、古龍…。逃げて下さい‼︎」


 どうやら混乱している様だ。


「ちょっとお前達伏せ」


 古龍を伏せさせてから。


「お前等はこいつ等に乗って…。無理か…」


 女8人はまだ混乱している。


 しょうがないので8人を引張ってライトニングドラゴンに乗る。


「じゃあ、出発で。行き先は魔法学校」


「了解」


 放心中の8人は、自分達が飛んでいることもわからず。意識が戻ったのは、魔法学校に着いてからだった。

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