その尊き願いを/■■
――背信、ログイン確認。
――拒絶、ログイン確認。
ライトが二つ点く。
質素な椅子に座る二人は、対照的な雰囲気であった。
「リジェクト、何故勝手に動くかね?」
疲れ果てたようにパーフィディは頭を振った。
「私がやりたいからやったの。それなのにあいつ、私が折角目をかけてやったのに……お兄ちゃんが助けてくれるって!」
リジェクトは自分の指の爪を噛む。彼女の瞳はせわしなく左右に動いており、体も僅かに震えている。あと少しでもすれば、暴れ出すようにも思える。
「今はまだ準備中だ。折角ファブリケイトとアルターがウィルスを撒いたのだから、余計なことはしてはいけない」
「うるっさい! 私がやりたかったからやったって言ってるでしょ! 作戦とかそんなのどうでもいいっての!」
「君はファブリケイトとアルターに作戦を一任している。どうでもいいのなら君一人で勝手にやりたまえ。その代わり拒絶の権限も剥奪する」
「は?」
「作戦通りに動かぬ駒はいらないと言っているのだ。さぁ、消えろ」
「ま、待って、私、そんなつもりは……」
「謝罪を要求しよう。私は心が広いからね」
「ご、ごめんなさい」
パーフィディは卑しい笑みを浮かべると、指をぱちりと鳴らす。
「がっ!」
それと同時にリジェクトは謎の圧力により床へと押し付けられた。
パーフィディは立ち上がると、コツコツと靴音を立てながら拒絶の席へと向かう。
「なん、でぇ!?」
パーフィディは、歯を食い縛りながら耐えるリジェクトの髪を乱暴に掴んでその瞳を覗いた。
「図に乗るなよ、
「あ……がっ……」
「謝罪をしたまえ、リジェクト」
「ごめ、んな、さい」
パーフィディはリジェクトの頭から手を離すと、その頭を踏みつけた。
「靴を舐めろ、出来損ない」
「はっ……あっ……!」
必死に舌を伸ばし靴を舐めようとする様子を見て、パーフィディは再び卑しい笑みを浮かべた。そんな状況はしばらく続いた。
「靴すら舐められぬ出来損ないめ。まだリベリオンの方が上出来だったよ」
思い切りリジェクトの頭を蹴ると、パーフィディは再び背信の席に戻った。
「七日だ。今日から七日後に結果を出せないのなら貴様はいらん。マスターを得ることもなく消えろ」
パーフィディがまた指を鳴らすとリジェクトの謎の圧力は消え、彼女は肩で大きく呼吸しながら、パーフィディを睨み付けた。
「神は今バカンス中だ。明日には戻って来る。しっかり動けよ、出来損ないのリジェクト?」
憎悪の瞳を向けるリジェクトを、パーフィディは鼻で笑ってそう言った。
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