ささのベーカリーのクリームパン。えぇ、そうです。伝説になるに相応しい物語です。
翔太と晃の純愛ストーリーがジンクスとして学校内に残っている。これは右京先生は赴任した時の反応が気になりますね☆
紙飛行機に恋文。なんてロマンチックなシュチュエーションでしょう!最終回のような素敵な場面が浮かびました(*⁰▿⁰*)
作者からの返信
『橘 右京です!どうぞよろしく!』
いつかここに赴任できたら……とは思っていたけれど、その日がこんなに早く来るとは思っていなかった。
懐かしい校舎、思い出の螺旋階段、新しくなった中庭のベンチ。
職員室に座っているのはあまりに落ち着かなくて、学年主任に小言を言われながらも、学内の色んな場所で色んなやつと昼を取った。
そんなある日、四方をぐるりと女子たちに囲まれた。
『ど、どうした?』
思わずしてしまった降参のポーズ。両手を掲げたままそう聞くと、胸に紙袋を抱えた一人の女子がキラキラした目で口火を切った。
『右京先生、着任式でここの卒業生って言ってましたよね?!』
――こくり。
ただ頷いただけだったのに、それがスタートの合図になったみたいに、女子たちの口から一斉に質問が飛び出した。
『先生!ささのベーカリーのクリームパン伝説っていつからあったんですか!?』
『ていうか!もしかして、先生、伝説の二人を知ってるんじゃないですか!?』
『まわりに思い当たる人いませんか!?』
……ささのベーカリー?
……クリームパン?
……それって……まさか
『翔と晃のこと伝説になってんのか!!?』
うっかり出してしまった二人の名前を聞いた女子たちは、廊下の端から端まで……いや、学内全部に響き渡るくらいの悲鳴をあげた。
『ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!』
『翔と晃!?』
『先生、知ってるんですか!?』
『やっぱり素敵だった!?』
女子たちの質問は終わることを知らない。
隙あらば聞き出そうとする女子に追われることになってしまった俺は、しばらくの間、落ち着かない職員室で昼飯を取らなきゃいけなくなった。
「おかしいだろ!なんで俺らじゃなくて翔たちなんだよ」
「なに拗ねてんだよ」
「す、拗ねてねぇよ!」
大笑いする弟夫婦の横で彼女が言った。
「拗ねない拗ねない、私にとって一番は右京なんだから!伝説の主役くらい譲ってあげなさいって♪」
自分で言ったくせに『へへっ』と照れた彼女を見て、可愛いと思った。
「そ、そうだな!しょうがねーから譲ってやるか!なっ!」
もう何年も経つけれど、彼女が笑ってくれると嬉しくて、彼女といると幸せだ。
俺は彼女に弱くって。
俺が強くなれるのも彼女のおかげだ。
昔も今も、そしてこれからも。
吐いたw これは忘れられない告白になりましたね。
作者からの返信
どんな告白よりも記憶に残りますよ笑笑