85.無夜




「ねえねえ今どんな気持ち? ねえねえ今どんな気持ち?」


「………………」


「『私が一番強いと思いますよ』」


「………………」


「『私が一番強いと思いますよ』」


 【駆り手ライダー】対【少女無双ヴァルキリアス】戦後。

 体育座りで気落ちする【少女無双ヴァルキリアス】に対して、【醜母グリムヒルド】がノリノリで追い打ちをかけていた。


「動画で録っとけば良かったなぁー。自信満々のあの表情さあ。余裕綽々で完膚なきまでにミヤコちゃんを完封した──かと思ったら逆襲されてパニクって、挙げ句の果てにド格下相手に【死界きりふだ】まで切ろうとしちゃってさぁー。てか、見間違いだと信じたいんだけどぉ。最後らへん半べそかいてなかった? ねえねえねえねえキリアちゃん。自称一番強いキリアちゃん。ねえねえねえねえねえねえねえねえ」


「う、ふ、ぐぅ。う"ぅ~~~~…………」


「止めてやれバカ」


 声にならない声をあげて【少女無双ヴァルキリアス】が泣き出したところで【無限監獄ジェイルロックマンション】からのストップが入る。


「あだっ。チョップは止めなさいチョップは」


「グーならいいのか」


「いいワケないでしょうが」


「なーかしたーなーかしたー。いーけないんだーいけないんだー。かあさませいかくわるーい。ばるきりあすかわいそー。すのーほわいとにいっちゃおー」


「…………そう気落ちするな【少女無双ヴァルキリアス】。勝負としてはほぼお前の完勝だっただろう。俺はお前が最強を名乗ることになんの異論もないぞ」


「…………はい」


 などと【無限監獄ジェイルロックマンション】が【少女無双ヴァルキリアス】を慰めるその場所は、【無限監獄ジェイルロックマンション】の牢獄の外。

 【十と六の涙モルスファルクス】のメンバー──、等と表現するのはおかしな話だが、ともかく戦いの勝者となったもの達が集結してきていた。


「はー疲れた疲れた疲れましたー。ま、他の連中に比べれば楽な相手やったんでしょうけども、三下としましては大変でしたよ」


「まーたメイちゃんはそんな風に自虐して。よくやってくれたわよ、お疲れ様ー。にっしゃんもね」


「問題ありません」


 この中では実力的に下位となる二人、【処女メイデン】と【処刑者パニッシャー】は、他の面々とは少し離れた位置で佇んでいる。


「で、ちなみに──どないするんです? 


「ああ、ね。コレはいわば──今回の景品というかなんというかなんだけど、だーれもゲット出来なかったんで回収しちゃいました」


 【処女メイデン】の指差したその先には。

 半分になって横たわる、【駆り手ライダー都雅とが みやこの姿があった。

 その目から光は失せ、呼吸も心肺も停止。誰がどう見ても屍体と判断せざるを得ないだろうが──悲しいかな、彼女はもう一年以上前からずっと死にっぱなしである。


「…………【生存競争サバイバルゲーム】とか大々的に宣言しておいてその実態は【宝探しトレジャーハント】って、性格悪いなんてもんじゃないな。クソゲー過ぎるだろ」


 呆れ顔の【無限監獄ジェイルロックマンション】に、すぐさま【醜母グリムヒルド】は口を尖らせて反論する。


「【生存競争サバイバルゲーム】がメインのお祭りなのはホントだってば。その裏で隠しイベント的なノリで【宝探しトレジャーハント】もやってたってだけでさー。まあ、イルマには大分負担かけてたから申し訳ないと思ってたり思ってなかったり」


「思ってないんだろ」


「思ってたってばー。せいとクロ爺の【死界デストピア】同時展開はキツかったでしょ? 胃袋の中で風船二つ思いっきり膨らまされたようなもんだし。【死界デストピア】同士は反発し合うのが基本だからね。同じ神話体系なら混じり合うケースも無くはないんだけどさ。…………てか、あの二人だいぶ体系タイプ近かった気がするんだけど、てか、近くないと困るんだけど反発したみたいだね。せいは相変わらずコミュ障だなぁ」


「? あの監獄って【無限監獄ジェイルロックマンション】の【死業デスグラシア】とちゃうんですか? 【死界デストピア】やったんです?」


「んー、どちらでもあるっていうかねー。イルマは【死因デスペア】と【死業デスグラシア】と【死界デストピア】が全部渾然一体ごっちゃになってる変な死神グリムだから」


「悪かったな変なので。てか造ったのお前だろ」


 今度は【無限監獄ジェイルロックマンション】が眉をひそめて【醜母グリムヒルド】に抗議した。


「拗ねないのー。イルマありきのイベントにしたのは苦労かけたなって思ってますー」


「問題ない。いつぞやの【変死へんし】【怪死かいし】【狂死きょうし】のイカレポンチ三連星の手綱を取らされた事に比べれば大した事あるか」


「………………あったねそんな事も」


「………………酷い事件でした」


「みんなのトラウマっちゅーヤツやね」


 その場にいる皆が一斉に遠い目をしてため息を吐いた。

 【死姫アデライード】──時雨峰シウミネ ルイ以外は。


「…………ぷぅ」


 この場で群を抜いて幼い容姿を持つ幼女死神グリムは、その様子を見て頬を膨らませるのだった。


「…………それで? そこの半端娘を取っ捕まえて何をする気だ? …………【澱みの聖者クランクハイト】という大駒との交換に見合うものであるならいいんだがな」


「そりゃーもちろん。可愛い弟分を駒損にさせたりはしないってば」


 相変わらずのニコニコとした笑み──


 ──を、完全に顔から消して、女王は告げる。






「『ヨハネの四騎士』を覚醒おこす」






 その宣告で、死神達の間に確かな緊張がはしる。


「…………【澱みの聖者クランクハイト】と【少女無双ヴァルキリアス】相手に連戦させた意味はそういうことか」


「いや、そういうことかとちゃいますって。どういうことです?」


 即座におおよその意図を察したらしい【無限監獄ジェイルロックマンション】と、未だ全容が掴めていないらしい【処女メイデン】。


「ドンチャン騒ぎお祭り騒ぎ、って予告しといたでしょ? わざわざここまで大仰にやっといて、チンケな小競り合いで済ませたりしないわよ」


「半端者の【死に損ないデスペラード】のなんぞ何に使うのかと疑問だったが…………文字通りの起爆剤、というよりただの爆弾だな。惨いマネをする」


「見損なってほしくないなぁイルマ。ミヤコちゃんはただの癇癪玉で終わるタマじゃないと私は信じてる──なんならキリアちゃんはさっき思い知ったんじゃない?」


「…………知りません」


 【少女無双ヴァルキリアス】はそう言ってそっぽを向いた。


「あら、こりゃかなり本格的に拗ねてらっしゃる…………」


 普段は真面目極まりない部下の珍しい姿に苦笑し、そして一瞬だけ半分になった少女に目を遣った。


「…………大した影響力ね、ホント。生者も死者も否応なしに変えていっちゃうんだから、立場無いわよまったく」


 死神女王はそうボヤいたが、その声が周りまで届く事はなかった。


「ま、だいたいイルマの想像通りでしょ。確かにまあミヤコちゃんは半端者だけど、だからこそポジションが曖昧な分からねー。せいの方には本命としての予定があるから、最初からミヤコちゃんを【死滅因子デストラクション】内の起爆要因として期待してたのは、まあその通り」


「ちょーいちょいちょい、勝手にお二人で話進めんといて下さいって。ウチらなんもわからへんのですけど」


「ことばの意味はわからんがとにかくすごい自信だと思っといてくれたらそれでいいよ」


「いや、アカンわ。かんっぺき置いてけぼりやっちゅーねん」


「そりゃーもちろん、この先は誰だってついてけないよ? そういう次元スケールに突入しちゃうからねー」


 言いながらに【醜母グリムヒルド】は半分の【駆り手ライダー】を手に取り(というよりは乱雑に掴んだ。触角めいた髪の毛を) 、持ち上げる。


「取り敢えず私は明日までミヤコちゃん覚醒の為につきっきりになって私の【死界デストピア】に籠るから、それまでみんなは適当に過ごしといてねー。心配しなくてもキリアちゃんとの戦いの時点でもう覚醒は始まってるみたいだったから、そこまでリスクはないわよ。もちろんイルマは監獄内の管理をお願い。また明日舞台として使わなきゃだから」


「百も承知だ。いよいよ監獄内の認知がところだからな。ここまできてミスはすまい」


「ねーねー、かあさま。ミヤコをおこすなら、わたしが【ですぺあ死因】つかってやろっか? そのほうがはやいとおもう」


「「「「ダメダメダメダメダメダメダメダメ!!!!」」」」


 【醜母グリムヒルド】を含むその場の全員がビビり散らしながら拒絶した。


「むー。みんないじわる…………」


「いじわるで結構です、【死姫アデライード】。貴女が動けば最悪全てが盛大に台無しですので」


「ぶー」


 そこで【醜母グリムヒルド】がパチン、と手を叩き皆に宣言する。


「んじゃ、これで今日の日程はしゅーりょー! ひとまずみんな、お疲れ様でし


「ゲホェ」




 この上なく唐突に。

 【無限監獄ジェイルロックマンション】が、吐血した。


「──いかんな。が先に起きた。閉じ込めてた監獄の最下層から、障壁を喰い破って表層まで登ってきてるぞ」


 掌にぶちまけた自らの血を、まるで他人事のように眺めながら【無限監獄ジェイルロックマンション】はボヤく。


「うーーーーわっ、スケジュールぶち壊しじゃん。キリアちゃん戦の時点でが目醒めかけたのが裏目に出たか。共振するのは当然なんだけど、ヤバいなぁ」


「どうにかして寝かしつけたいところだがな…………どうしたものか」


「とにかく私はもうミヤコちゃん連れてくね。これ以上近くに居ちゃマズい。別の【死界世界観】に隔離しちゃえば共振は止まってはひとまず覚醒しきらずに済むでしょ。ここで中途半端に起きられたら全部台無しだから、なんとかもう一回寝かしつけて監獄の奥に押し込めといて。方法は任せる。そんじゃね」


 【醜母グリムヒルド】は早口でそう言い残すと、ドプン、と音を立てて【駆り手ライダー】共々夜の闇へと沈んで行った。


「…………サラッと特大のトラブル押しつけて行っちゃってくれちゃってません?」


「それは事実だが、今回ばかりは事態が事態だ。女王ヒルドからしても一筋縄ではいかん、な。お前達はいつでも動けるよう準備しておけ。俺は監獄内の様子を見て、状況に応じてお前らを送り込もう」


「「「了解」」」


 暫定的な指揮役──というには少々砕けた態度だが、【無限監獄ジェイルロックマンション】は取り敢えず他の死神グリムに指示を出す。

 が、感知した監獄内の状況を鑑みるに、ともすれば皆の出番は無いやもしれない、とも思った。




(さて。手並み拝見と行こうか──死弾の射手)






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「な~~~~んか昨日今日のオレ調子出ないっつーか全面的にサイテーなんだよね。わかってくれるー? むーすーびーちゃーーーーん?」


「………………ッッッ!!!!」


 舞台は再び【無限監獄ジェイルロックマンション】の監獄内へと立ち戻る。

 倒れ臥す灰祓アルバ弖岸てぎし むすびの背上へとドカリと腰を下ろしながら、隻眼の邪悪なる射手、【狩り手ハンター】は物憂げに語りかけていた。


「ガ、かっ…………!」


「く、ぎし…………」


 側にいた第十隊ダチュラの生き残り二人、神前こうざき えん罵奴間ののしぬま 鍔貴つばきもまた、既にその場に倒れている。

 だがその様子に【狩り手ハンター】の司る【毒死どくし】の【死因デスペア】、その兆候は見られない。

 突如として彼らを強襲した【狩り手ハンター】は、ほぼ徒手空拳で三人を征圧せしめていた。

 既に【処女メイデン】【処刑者パニッシャー】戦でむすび達が消耗している事を差し引いても、異様な強さと言えるだろう。


「あのクソ芋砂達──第四隊クローバーだっけ? は、もうシバき倒した後だから救いの手には期待しない方がいいよ。念のため言っとくけどさ」


「て、めえ…………!」


 その言葉に憤るのは第四隊クローバー隊長罵奴間ののしぬま 鐔女つばめを姉に持つ鍔貴つばきである。そんな言葉を聞かされて、冷静ではいられない。

 【狩り手ハンター】は弟のそんな様子を見て嬉々として嘲笑う──筈だった。いつもの醜悪なる彼女ならば。

 しかし。


「あー、【死因デスペア】使わずにただ殴る蹴る等の暴行を加えて黙らせただけだから、死んでないとは思うよ。打ち所が悪かったらワンチャン死んでるかもだけど、そこまで面倒見切れんから勘弁ねー」


 気の無い声で言葉を羅列すると、はあ、と大きなため息を吐く【狩り手ハンター】。

 以前会った時の悪逆無道ぶりは何処に鳴りをひそめたのかといいたくなるローテンションぶりであった。


「『死は悪だ』、ってのがアタシのポリシーなんだけどもね。今のアタシサイテーだからさー。いま殺してもそう悪かない死に方にしちゃう気がしてなんないんだよねー。だから不殺ころさずなのでござるよ。せめてたけのこだよね。たけみつ! …………ダメだ。なんか台詞にもキレが無い気がする。はー。てかミヤコちゃんにボコられてから対策としてばんがって鍛え直した近接格闘もなんかパッとしないお披露目になっちゃったしー。どーもパリッとしないんだよねー全体的に。どうすればいいと思う? ねえねえむすびちゃーん」


「………………」


「あ、シカトされた。んー、じゃー、えいっ」


 【狩り手ハンター】は躊躇い無く死鎌デスサイズを突き刺した。

 神前こうざき えんの大腿部を。


「ギっ…………!」


えんちゃ…………! 止めろ! このクソ──グブっ」


 大声を上げようとしたむすびの後頭部を即座に【狩り手ハンター】は殴り付けた。必然地面に顔面を強打する。


「いや、もうちょい状況シチュを考えなってむすびちゃん…………一昔前の熱血主人公のノリに付き合えるテンションじゃないんだってば今のアタシ。会話しようとしてるだけなんだからそんな邪険にする事ないでしょー」


 ガン、ガン、ガン、と気の抜けた顔でむすびを殴打し続ける【狩り手ハンター】。

 気分がノろうがノるまいが、根本の悪辣さはまるで揺らいでいないらしかった。


「はぁ。ミヤコちゃんにだってぜーんぜん会えないしさぁ。これはもうぜーったいあのクソババアが何らかの企みを策してるよね。はーヤダヤダヤーダ。おっかないジジババ二体に追い回されたのもそうに違いないしー、マジでダメダメなんだけど。テンション下がるわー。その様子だとむすびちゃんもあんまいい感じじゃなさそうだね? なんか嫌な事でもあった? オレちゃんで良かったら、話、聞くよ?」


 無駄にキリッとした良い顔をしながら言う【狩り手ハンター】であったが、誰がどう聞いても嫌味にしか聞こえないだろう。

 無論、そんな問いにむすびが返す言葉などありはしない。

 代わりに。




 グギュルルルルルルルルルルルルルルルルル。




 という、盛大な腹の虫が騒ぐ音が、その場に響き渡った。


「……………………あらヤダ、なーにーむすびちゃんお腹減ってたのー? って、んなワケないかー。…………なんか来るな」


 だらけた態度は変えぬまま、しかし視線だけは鋭く変えて【狩り手ハンター】は周囲を警戒する。

 やがて。




 バクバクバクバクバクバクバクバクモリモリモリモリモリモリモリモリムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャ




 という、まともなマナーを知る者なら不快に思わざるを得ないほどの下品な咀嚼音が響いてくる。


「…………んだ、


 【狩り手ハンター】は思わず素の驚嘆の声を漏らした。

 無理もない。

 その咀嚼音は徐々に大きくなり──やがてその音の主は姿を現した。

 は。

 ようにして、監獄の底から這い出て来たのだ。


「…………ゲェェェェェェェっ、プ」


 曖気と呼ぶにはあまりにも品の無い轟音を口から吐き出し、その少女死神グリムは虚ろな目を向けてくる。


「………………お腹、すいた」


 ボサボサの黒髪、汚れた服装。その容姿からは、浮浪児というこの国に似つかわしくない言語が嫌でも想起される。


「…………【十と六の涙モルスファルクス】の一人、で、いいのんかな? 初めて見る顔なんだけどー。へい不潔なお嬢ちゃん、コードは?」


「…………【奈落食堂ストマックフォール】」


 その声は返答というよりも、誰に向けるでもない独白に聞こえた。


「ふーん、やっぱ初聞きじゃん。んで? 【奈落食堂ストマックフォール】ちゃんってば、YOUは何しに?」


「お腹が、すいたの」


 ユラリ、と幽鬼のような足取りで、少女は一歩【狩り手ハンター】へと歩み寄る。


?」


 濁りきった目でそう告げる、【奈落食堂ストマックフォール】。

 その言葉に対して、【狩り手ハンター】は。


「──あひゃっ♡」


 と、笑った。


「いいねいいねいいね、素敵な目をして愉快な事言う子だねぇ。ちょっとアガって来た感じだよお姉さん──いいよー? 喰えるもんなら、どうぞ召し上がれー。でも多分」


 ジャキン、とその手に二挺拳銃を構える。


「オレを食べたら、お腹壊しちゃうぞ?」


「…………そっか。食べて、いいんだ。いいんだってさ」


 【奈落食堂ストマックフォール】はそこで始めて、歪んだ笑みを浮かべる。

 そして。


 ──カキャコッ。


 と、


「…………は?」


 と、【狩り手ハンター】が驚く間も無く、外れた顎で貪食者は宣告した。



 大きく開いた、その口内。喉の奥から。






 ウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャ。






 と、犇めくナニカが、溢れだした。









 【謝死屍祭グリムフェス】。

 二日目、最終戦。




 無所属。

 【狩り手ハンター】。


 対。


 【十と六の涙モルスファルクス】所属。

 十の十、【奈落食堂ストマックフォール】。




 ──開戦。



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