二章までの設定集



 二章内に出てきた設定、それらの解説回です。

 ですけど、別に読まなくったってどうってこたありません。

 てか解説回に限らず、本編で出てくるよくわからん単語やら用語やらはいっぱいありますが、基本スルーしてくれて構わないです。てかスルーしてくれた方がいいまであります。めんどくさいですもんね。(なら何故書く)

 そういうのが好き、という方だけ読んでみてください。ホント、中身なんて有って無いようなもんなんで。劇中ではなんか色々独自用語が出てくる会話がたくさんありますが、実質


「5メガネ!!!!!」


「なんの!! わりばし!!!!」


「な…フェイントだと!!? じゃあこの明太子はつかえない!!!」


「そしてこのウーロン茶でオレのコンボは完成する」


「しまった暗黒コンボか!!!!」


 みてーなことしか言ってないんで。そのレベルの中身の無さなので。

 読者の方々はどうか心を広くして


「おお! ことばの意味はわからんがとにかくすごい自信だ!」


 と、サラッと流して貰えればーなんて思ってます。

 では、どうでもいい解説スタート。






・「陽炎稲妻不見の月」

 二章の章題。

 元ネタは「陽炎稲妻水の月」より。

 陽炎、稲妻、水月。

 何れも捉えがたく、形の無いものたち。

 見た通り、みずの月を不見みずの月にもじってます。

 思い付いた時は会心のネーミング感があって「うひょー!」ってテンション上がってたんですがググってみたら同名の小説がありました。自分ごときが思いつく事などはとっくに他の誰かが思いついている。多くの創作者のぶつかる壁、とか言ったら傲慢でしょうか。

 で、実際これはどういう意味なの? 作中の何を表してるの? という方も多いかもですが、それは作中から読者さんがたに汲み取って貰えればなと思います。フフフフフフ……

 どうせ何も考えてなくて、字面のカッコ良さだけを優先したんだろって?

 それはどうでしょうかね……フフフフフフ……フフフフ、ふぐっ、ゲホっげほ!!



・「鳳凰機関」

 鳳凰機関。

 ほーおーきかん。

 世界に名だたる複合企業コングロマリット、らしい。

 後述の死神災害対策局の母体となる組織。

 元締めっつーかケツもちっつーかタニマチっつーか。

 国内外に広く事業を展開する大財閥と思っていただければオッケーです。

 フィクションではホントこういうお金持ち多いですよね。

 ほのぼのコメディでさえもはやお約束といえる。

 元祖はスネ夫なのかな?

 お金を潤沢かつ自由に使えるキャラがいると、話の展開が楽ですからね~。

 創作おはなしの中でさえ、お金と権力は大正義。

 あー世知辛い。

 経営の話をすると、煦々雨くくさめ家の独占的出資よる資本を中心に結合した財閥。

 本家である煦々雨くくさめ家を中枢に、分家として時雨峰しうみね家、太白神たいはくしん家、神前こうざき家、日前ひのくま家などにより構成されている。

 詳しくは本編で──やるのかな? やる意味有るかなこれ? 四章ぐらいで触れる気がしなくもないけどこれっきりかもしれない。わからん。



・「死神災害対策局アルバトロス

 死神災害対策局。

 アルバトロス。

 死神の災害を対策してる局。です。

 灰祓アルバ──死神グリムに抵抗する人間達の組織。いっちまえばそんだけです。

 「対策」局なのが重要。

 対策局(対応出来るとも対抗出来るとも言ってない)。

 みたいな?

 今日も今日とて人海戦術で死神グリムの元へと赴き、負ける。たまに勝つ。

 一章の頃から灰祓アルバ死神グリムから呼ばれていたのだが、組織名はOwlではなく信天翁Albatrossである謎。

 全体的に若者ばっか。

 二十代どころか十代少年少女ティーンエイジャーがゾロゾロいる。命懸けの現場で。

 ひでぇ。

 ひでぇけど、一応理由はある。

 まず、偏在率は鍛えれば伸ばせるのだけれど、どれだけ鍛えても二十歳前後でみんな成長が止まってしまう為。個人の人格が固まるのとほぼ同時に伸び代も終わると思われる。

 そして偏在率は実戦経験を積むのが一番効率良く伸びるので、優秀な隊員を育成しようとするなら若い頃からガンガン実戦投入するのが一番なのだ。

 で、最後にして最大の理由。

 みんな、すぐ死ぬから。

 二十代まで生きてられるのさえそこそこ珍しいという地獄っぷり。

 三十代まで生き延びれたら表彰もん。

 四十過ぎてもまだ現役やってる人とかもいましたけど、あの人はガチ化けもんなのです。

 そんなワケで、今日も今日とて灰祓アルバ達は若い命を散らしてゆくのでした。

 裏話をしましょう。

 まず、死神グリムに抗う人間達の名称は灰祓アルバと先に決まってました。で、組織名は何にしようかなぁと考え、出来た組織名がアルバから広げる形にして、アルバトロスだったのです。

 ここまでが初期設定の話。

 で、実際に一章を書く中で死神グリム灰祓アルバを表す際の隠語みたいな、裏用語みたいなのがあればカッコいいんじゃね? と思いつきました。思いつきでした。

 で、まだ死神災害対策局アルバトロスは一章当時はまだちゃんとは出てなかったんですけども、先行してちょい出しするみたいなノリで梟と呼ばせたのでした。

 はい。

 もうわかりましたかね?

 そうです。

 筆者はあろうことか、アルバトロスの意味を信天翁アホウドリではなくふくろうであると、ものの見事に勘違いしていたのでした!

 どーーーーん。

 で、二章書く際に気付き、やらかした事を悟ったのでした。あーやらかしたやーらーかしたー。

 ダッッッッサ。

 けど一周回って、意味不明感が逆に隠語っぽくない? と自分で都合良く思い直し、結果もう梟でいいや、となったのでした。

 だからこの先も多分、一部の死神グリム灰祓アルバの事はと呼び続ける事でしょう……(遠い目)

 で、しかしてその実態は。

 えー、まず上層部的なお偉方はだいたい前述の【鳳凰機関】の人達です。会議室でゲンドウポーズとったりしてます。描写はないですが。

 【鳳凰機関】本家である煦々雨くくさめ家当主が現状現場にかかりきりになってますが、優秀な人材がいっぱいいるので何とかなってるらしい。

 で、その上層部の司令に従い動くのが現場の隊員の皆さん。

 基本的には三つの部隊に別れています。


・「進明隊ディステル

 偏在率が一定水準に満たない隊員達によって構成される下級戦闘部隊。新人はだいたいここに入る。

 鍛えて偏在率を上げれば後述の破幻隊カレンデュラに編入したりも出来るけど、まぁほぼ叶わない。だいたいすぐ死ぬ。ポンポン死ぬ。そりゃあもう死んで死んで死んでいく。

 酷い。

 惨い。

 何が惨いかって、基本的には中堅レベルの死神グリムが出てくればもう蹴散らされるしかないレベルの隊員達な為、捨て駒が大前提の運用をされてること。

 けど隊員達は死神災害グリムハザード被害者が大半なので、復讐心バリバリに捨て駒上等の覚悟でガンガン特攻カミカゼしていくのだった。

 怖ぁ……

 ディステルはアザミを意味する。

 ドイツ語です。

 花言葉は「報復」「独立」「厳格」「触れるな」など。



・「破幻隊カレンデュラ

 中堅部隊。

 灰祓アルバの主力。

 偏在率が一定水準に達した隊員はここに配属される。

 入隊して即ここに配属される人もいれば、経験を積んで進明隊ディステルから異動してくる人もいる。

 メイン戦力なので、下手に損耗しないようにそこそこ大事に扱われる。これ以上死神グリムとの戦力差広がると本当にヤバいもんね。

 確実な勝算がなければ特攻させられたりはしない。まぁ場合によるけど。

 カレンデュラは金盞花キンセンカを意味する。

 花言葉は「別離の悲しみ」「悲嘆」「寂しさ」「失望」など。


・「廉想隊カンナ

 後方支援部隊。

 いっちばんおいしい役どころ。

 後方支援なので前線にはまず出ない。しかし死神グリムの観測、分析を始めとした支援にはそれなりの素養が必要とされ、貴重な人員として扱われる。

 オペレーターやエンジニアはだいたいここ所属。司令室で情報支援する人とか開発室で色々研究する人とか。

 中には非戦闘員ながら現場に出て戦闘員の補佐をする人もいる。そんな人の中には巻き込まれて死んじゃう人もいる。

 カンナの花言葉は「情熱」「快活」「永遠」、そして「妄想」。



・【聖生讃歌隊マクロビオテス

 灰祓アルバの頂点に立つ十の精鋭部隊。

 エリート。

 人類最後の砦、とか言われたり。

 『神話級ミソロジークラス死神グリムに対抗出来る』と判断された部隊だけが名乗れる。

 (笑)。

 うん、まぁ、ぶっちゃけ全然対抗は出来てないんだけど。

 けど、逸話級フォークロアクラスぐらいなら一部隊で充分倒しきれるぐらいには強い。

 隊によっては、神話級ミソロジークラスにも何とか喰らいついていける、かも。

 防戦に徹すれば、まぁギリッギリで……

 半分もないだろうけどね、そんな部隊。

 二章開始時点で一部隊陥落済みで、二章終了時点では……どうなってるんだろうね? なんとか現状維持出来てなきゃこの先かなりキツそうだけど。

 けど、色々と切り札も持ってはいる、筈。今後に期待。

 マクロビオテスは「長寿」という意味。死神グリムに対抗出来そう──で、出来てないという。どれだけ長生きしても死ぬ時は来るのだ。無情。

 ググったら「マクロビオティック」というのが出てくる。長寿法。玄米とかばっか食う食生活の事らしい。



・「選抜生セレクション

 【聖生讃歌隊マクロビオテス】の各部隊長が一人ずつ選抜した育成枠の隊員。

 期待のルーキー達。

 その実力は確かだった。

 確かだったけど何処までも果てしなく運が無かった。

 や、ホント強かったんですよあの子達。まだルーキーだったにしては。

 ぶっちゃけ経験値を除けば【聖生讃歌隊マクロビオテス】の隊員達とも殆ど大差ない能力を持っていた。

 もってたんだけど、相手が悪すぎた。

 あの、あひゃあひゃ道化娘とエンカウントしたばっかりに……

 結果、十人中六人が殉職という結果に。

 合掌。

 ──で、身も蓋もない裏話をしてしまうと「今章のかませオブかませ枠」である。

 いや、まあ、みればわかるか……

 『殺られ役作ろう。十人くらい。いや、多いか。ならむすび達を含めて十人で』てなノリで作られた枠組み。

 なんとなく『最低でも半分は死ぬだろうなぁ』みたいに思いながら書いてた。で、六人死んだ。その内二人は一瞬生存ルートが見えた気がした。気がしただけだった。やっぱり死んだ。

 南無。



・「生装リヴァース

 リヴァース。

 対死神特殊戦闘兵装。

 概念的武装メタ・アーマメント

 死神グリムを滅ぼす、唯一の刃。

 少なくとも、表向きは。

 詳しい原理や作製方法は、現時点ではブラックボックス。

 ただ、この武器はいっちまえばWiiコントローラーみたいなものであって、たとえ振り回してはいてもこの武器そのもので死神グリムと闘ってるワケではないらしい。闘うのは画面の中のアバター。死神グリムと人間は本来同じステージにはいない為。

 武器としての形態は多種多様だが、雛型となるプレーンモデル──『甲式』は、長剣型【白】、拳銃型【赤】、狙撃銃型【紅】、突撃銃型【朱】、大剣型【青】、短剣型【蒼】、双剣型【碧】、槍型【黄】、弓型【緑】、手甲型【紫】の全十種。

 この十種をベースとして隊員が各々独自改良を加えたものが『乙式』とされる。

 甲式の定型テンプレートから逸脱した代物は『丙式』とされるが、クセのあるピーキーな性能のものが多く、製造も容易ではないため数はそう多くはない。

 更に『武装型アームズタイプ』と『変質型トランスタイプ』という種別もある。

 ホントややこしい。

 単純に装備品としての形質のものが前者、肉体と一体化(してるように見える及びしたような作用がある)ものが後者である。

 武装型アームズタイプは通常の武具の形状なのでまだ扱いやすい。変質型トランスタイプは形状からして色々と逸脱している為そりゃあもう扱い辛くコストは大きく要求偏在率は高い。が、だからこその利点も多々ある。出力は大きいし、最大のメリットとしては対死神グリム戦闘において基礎防御力の向上が図れるのは変質型トランスタイプのみである。

 が、変質型トランスタイプはまだまだ発展途上の技術であり、実は未だに本局ですら本格実装には至っていない。

 現状第一線で本格的に稼働出来ているのは、優れたエンジニア達を保有する東北支局の隊員達のみである。

 むすびは本局所属だが、半年程の期間東北支局にて第五隊サイプレスの指導を受けており、やがて選抜生セレクションに抜擢されると同時に研究中だった未完成の変質型トランスタイプ装備を試験的に運用している。

 つーか、東北の開発室一同から押し付けられた。

 あれを運用出来るのは偏在率が90%越えを記録したむすびくらいだったのだ。

 お察しの通り、実験台モルモットである。



抗戦仮説パラドクス

 パラドクス。

 理論武装ならぬ武装理論。

 概念的戦闘教義メタ・バトルドクトリン

 なんじゃこりゃあ。

 ワケわからん。

 わからんなりにザックリ言うと、対死神グリム戦闘において、灰祓アルバ生装リヴァースというハードウェアを動かす為のOSみたいなもの。

 現状登場している抗戦仮説パラドクスは三種類。

 まず集合的無意識である泡沫の空オムニアを観測、分析、認識するためのソフト、【抗戦仮説パラドクス色即是空ヴァルクリヒカイト】。これが無くてはそもそも死神グリムを正確に認知することもままならない、どころか自分自身さえも認識できるか怪しい。何せ泡沫の空オムニアは人類全ての観測した情報を統合して形作られた高位相現界。七十億倍の情報量の中では自分という個人を自覚することさえ本来は難しいのだ。

 そしてその為に自己同一性アイデンティティを確立し、高位情報群の中でも自身を見失わずにいる手段としての抗戦仮説パラドクスとして【抗戦仮説パラドクス唯我独尊アインザムカイト】があるわけだ。

 この二つの抗戦仮説パラドクスは現在の対死神グリム戦闘の根幹を成す代物であり、全ての灰祓アルバ生装リヴァースにこれが実装されている。

 で。

 最近開発されたばかりの新型抗戦仮説パラドクスがある。

 名前は【抗戦仮説パラドクス自業自得フェアデルプトハイト】。

 限界のその先、人類が死神グリムに極限までに肉薄することを目指し本局にて開発された最新鋭の武装理論。

 本来はたった一人の隊員、たった一つの生装リヴァースの為に開発された代物だったが、東北支局の要請により急遽開発段階だったある生装リヴァースに流用され、これを搭載する生装リヴァースは二つとなった。

 とかね。

 色即是空。

 唯我独尊。

 自業自得。

 見ての通り、全部仏教用語。

 だからなんだと言われれば、特に何もありませんが。

 裏話。

 えー、まず自身が物語を書くときに常に心がけているのは『カッコつけないようにしよう』です。

 何故かと言われれば、自分がカッコつけようとすると大概スベるから。

 だから地に足ついた感じの、野暮ったいぐらいの話で丁度いいんだと思って書いています。

 人名も用語も、変にカッコつけるよりも、ちょっとダサい位の方がいいのだと……そう戒めながら書いてます。

 もっと画数多い漢字とか、ギリシャ語とかラテン語とか使いたくなりますが、その度にグッと我慢します……あざとい、狙ってる感が出たら冷めちゃいますもんね。

 シンプルにするか、或いはちょっと外れてるって具合を狙ってるつもりです。

 しかし。

 しかし、時には自身の内側の中学二年生が『カッコつけさせろー!』とイキりだすワケです。んー。

 そんな風に生まれた設定用語、それが【抗戦仮説パラドクス】なのでした。

 どうでしょうか。カッコつけられてるでしょうか。「抗戦仮説」っていう字面は結構好きです。

 ま、あんま意味のある設定じゃないけど。

 こんな設定こねくり回す暇あるなら話進めろって感じですよねー。マジで。



・【死囚獄モリスアダムス

 モリスアダムス。

 死神の牢獄。

 取っ捕まった死神グリムがここにぶちこまれるらしい。

 えー? 捕まえられんのぉ?

 と、思われるだろうけど、ぶっちゃけほぼ無理。逸話級フォークロアクラス辺りでも不可能に近い。

 なので、ほぼほぼすっからかんの牢獄である。

 下級──空白ブランク死神グリムなら捕まえようと思えば捕まえられるが、空白ブランクは名前の通りに空っぽな連中ばかりなので捕まえてもあんま意味ない。

 二章の一件では空白ブランクが不自然に暴れてた為、珍しくそこそこな数が捕えられ、ぶち込まれたが、収穫はほぼなく、事件終息後はみんな抹消されたので、結局ほぼ空っぽ。

 まぁ、そもそもここは初めからたった一体の死神グリムを閉じ込める為だけに作られた施設の為、有象無象を捕えるのはオマケみたいなもんなんだけど。

 けど。

 その『たった一体』も二章終了と同時に解放された。

 マジで無用の長物やんけ!

 動物園にでも改装しては如何か。

 けど、フィクションにおいては監獄って破獄される為だけにあるようなもんだよね。

 みんな脱獄もの大好きだからね。ワクワクするもんね。仕方無いね。

 まぁここは脱獄さえしてもらえなかったんだけど。

 心寒い。

 名前は実在の脱獄囚からとってます。

 ダメじゃん。



・【冥月みょうげつ

 くら月虹げっこう

 灰祓アルバにとっての奥義と言える御業みわざ

 どんな死神グリムのどんな技でもズンバラリンに出来る超必。

 スゴいぜ。ヤバいぜ。

 発動条件は『対象偏在率が80%以上から0%以下まで、0.4秒以内の時間で推移する事』。

 80%以上の偏在率の持ち主が偏在率の推移速度を極限までに早める事により使用可能になる。

 この辺の説明は勢いでゴリ押した記憶があるのだけど、わかりやすく例えると、一瞬だけ死神グリムに対して無敵スター状態になれると思ってくれればだいたい合ってます。

 ただ、文章では表現し辛いけど、無敵になるのは本人だけではなく、発動中に本人が移動した全てに無敵判定が残る。

 んー……わかりづらいか。

 例えればこう……冥月を発動して剣を真横に一周ぐるんと振り回した場合、真上から見て円状の、「●」な形の無敵エリアが形成されるのです。普通に剣で斬ったら半月状になるかな。だから冥月。

 ただし、発動時間はどうあがいても最大で「0.4秒」。それを過ぎると無敵は全て消える。理屈から言うと一度使用すると発動時間と同じだけの降り幅、同じだけのインターバルが生まれる。絶え間なく連発するのは無理。だいたいみんな最大時間の0.4秒発動するのがデフォなので、0.4秒のクールタイムが生まれるワケだ。

 とはいえ、文字通りに「絶体絶命」な攻撃をポンポン繰り出してくる死神グリムを相手にし、一瞬とはいえ確実に凌げる技術は言わずもがな絶大な効果を生む。

 なので、本来は防御寄りの技術。

 が、頭尾ズビっさんが攻撃技として昇華させてしまい、他の冥月みょうげつ使用者達も真似しだした。

 結果、攻防一体の技術というべきになった。

 これにより、筆舌に尽くしがたい神話級ミソロジークラス死神グリムとの差をかなり埋める事が可能となったのである。

 それでも対等には程遠いが。

 子供にナイフ持たせたからといってプロの格闘家に勝てるとは限らない、みたいな。(なお格闘家は追い込まれると平気で重火器持ち出してくる模様)

 灰祓アルバ神話級ミソロジークラスと真っ向からやりあうなら、これを駆使出来てようやくスタート地点って感じかなー。

 ──なお、これを使いこなせる灰祓アルバは指で数えられる程しかいない。

 駄目だコイツら、早く何とかしないと……



・「死神犬グリム

 わんわんお。

 犬型の死神グリム

 おおよその元ネタはイギリスの民間伝承より。

 知らねーよって方はハリポタ三作目のアズカバンの囚人を読むなり観るなりしてみてください。

 名称と自我の薄れた空白ブランク死神グリムよりも更に下位に位置する、最下級の死神グリム

 自我はおろか人としての理性すら喪い、生を駆逐し死を貪るだけよケダモノと化した成れの果て。

 けど、戦闘能力だけを見れば下手な人間型よりも強力、というのはザラ。

 その辺の理由は、まあ後述。

 どメジャーなのを挙げればケルベロスだのフェンリルだの、犬関連の逸話、神話は本当に腐る程あるので元ネタには事欠かないのが嬉しい……いや、死神だっていくらでもあるけどね。



・【十と六の涙モルスファルクス

 泣くと呪う自由蛇。

 死神グリムを統べる女王が率いる最凶最大の死神群像グリムクラスタ

 所属する死神グリム達はいずれも圧倒的な実力を誇り、各地で暗躍を続けている。

 しかしてその実態は。

 ゆるっゆるな雰囲気の自堕落死神サークル。

 緊張感がない。

 が、実力は本物なのがタチ悪い。

 基本、首領リーダーの理不尽な横暴に部下が振り回されるというのがデフォルト。

 哀れな……

 ワガママ女王様の無茶振りに付き合わされるせいで、順調にメンバーが脱落しまくっている。

 そりゃ嫌われるわな~~!

 組織名の通りに、メンバーは『十』と『六』に区別される。あとは御意見番として、番外に『元老院』という役職が一人分存在する。

 『十』所属は神話級ミソロジークラス、『六』所属は逸話級フォークロアクラス

 強力だが希少な筈の神話級ミソロジークラスの方が数が多い謎。

 それならもう全員神話級ミソロジークラスで統一出来ないのかと突っ込まれそうだが、多分リーダーがその気になれば出来たと思う。それでも敢えて逸話級フォークロアクラスもスカウトした模様。

 1~10及び1~6のナンバリングに関しては、戦闘能力順や加入順というワケではないっぽい。

 てか多分、リーダーはあんまり戦闘能力に頓着ない。

 なんでかって言えば、だって死神って別に闘うものじゃないから。あくまで『死なせる』のが目的であり存在意義。だから戦闘能力は二の次。

 当のリーダー曰く、「武闘派は一人で充分すぎるくらいなのよね~」とのこと。

 そろそろ本腰入れて動き出すらしいけれど、はてさて。



・【死界デストピア

 死の境界。

 死神グリムにとっての最終奥義的なワザ

 神話級ミソロジークラス死神グリムとは、集合的無意識──泡沫の空オムニアにて普遍的に流布した、神話という定型テンプレートにより強力な存在強度を獲得した死神グリムの事であるワケだけども、その神話大系、神話風景によって一時的に泡沫の空オムニア内における自らの周囲を書き換えるというもの。

 よ く わ か ら ん !

 まー、結界的なもんです。

 こういう俺ルールフィールド系のワザって色々あると思いますが、皆さんはどんなのが思い浮かびます?

 自分の中の最初の記憶はフジリュー版封神演義の空間宝貝パオペエです。風吼陣がオサレで好き。

 死神、冥府神の類には、セットで「死後の世界」がついてくるものが多いですから、その辺活用出来るんじゃないかと思い採用したネタです。はい。



・【死滅因子デストラクション

 死滅へと至る因子。

 「デス」縛りそろそろしんどくなってきた……まぁ探せばまだあるけど。

 人類種の窮極的破滅要素足り得る五体の死神。

 らしい。

 それぞれ──

 【虚無】。

 【渇望】。

 【幻想】。

 【憧憬】。

 そして【終末】。

 ──この五つらしい。

 いったい誰のことでしょうねぇ。






・「終末論級エスカトロジークラス死神グリム

 詳細不明。






 …………終わったかな? もう全部出たよね? 説明しなきゃいけない設定。

 あーつかれた。

 設定ばっかだな。

 ひょっとしたら解説し忘れてる設定もあるかもですが、その時は忘れる程度の設定だったんだなぁと流してください…………



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