一章までの設定集




 本作では様々な意味不明な用語やめんどくさい設定が登場するので、そのまとめです。

 もちろん読み飛ばしてくれてもかまいません。

 というか、読み飛ばして下さい。

 暇で暇でしょうがないという方だけ、どうぞ。






・「現代死神異聞録」

 本作の副題。

 もうこの時点で人によっては『ん?』ってなるのではあるまいか。

 どの辺が「異聞」なの? っていう真っ当な疑問はその内作中で明かされるかもしれないけど多分明かされなさそう。

 まあ気にしなくていいです。



・「選べ。生き足掻くか。死に腐るか。」

 本作のコピー。

 つい先日変更したものなのだけれど、途端に応援してくれる人達が増えたのでビックリした。ありがとうございます。ありがとうございます。

 コピー一つでもずいぶん変わるんだなぁとしみじみ感じ入っている。

 てか、変更前のコピーがナンセンス過ぎたと自分でも思う。なんていうか、実に間抜けだった。黒歴史決定。

 本作は厳しめの世界観にしたつもりなので、まあ厳しめの言葉を使ったワケだ。

 生き足掻く、というのはいい感じの言葉ですね。泥臭くて。本作の主人公もそうあってほしいです。というか、全てのキャラが。

 死に腐る、というのは酷い言葉ですねぇ。『死に腐れ!』なんていう言葉もありますが。

 実は『死に腐れ』というのが主人公のキメ台詞の候補だったと言えば驚かれるだろうか。

 マジかよって感じである。

 ヤクザすぎる。いっそ世紀末感ある。

 まあ『主人公のセリフじゃねぇ』という無難な判断でボツになったのだが。

 …………ボツになった結果があれなの?



・「サブタイトル」

 一話毎につけられるタイトル。

 本作では、意味不明な文字群。

 実際は一話毎に意味は有るんですが死ぬほどどうでもいいので気にしないでいいです。

 基本筆者が楽しむだけの遊び要素。

 初見避けになってそうで不安だけど止めるつもりは今のところ無い。考えるの楽しい。

 一番気に入ってるのは『13.bitter』。内心ガッツポーズでした。くだんねー文字遊びではありますが。

 初めて意味を読み解いてくれた人には言ってくれればなんかするかも。



・「轢かれ者の小唄」

 一章の章題。

 これも一度変更しました。一章の中盤位で変えたんだったかな?

 変更する前は死にたくなるほどナンセンスな章題でした。

 ともあれ、変更後はめちゃくちゃ気に入ってます。

 これしかない、って感じでしっくりきました。まさしく!

 元ネタは「引かれ者の小唄」より。

 「引かれ者」とは処刑場まで引きずられる罪人の事であり、「引かれ者の小唄」とは、死刑執行を目前にしながら強がって歌を口ずさむ死刑囚の姿を現す。

 転じて、強情を張って負け惜しみを言う者の喩えである。

 雑草根性が滲み出てて良いですねぇ。

 本作の主人公に相応しい言葉ですとも。



・「渋谷大量変死事件」

 文字通り、渋谷で起こった謎の変死事件。

 物語冒頭で発生する。

 作中時から五年前にも起こったらしい。

 原因は不明とされているが、死神グリム関係の事件なのは間違いない模様。

 ……一応言っておくと渋谷にしたのに深い意味はないし、渋谷になにか恨みがあるわけでもないですよ。

 単にあの人混みがぶぁーって倒れていったらインパクトあるだろうなぁということで起こった序盤のサプライズイベントである。

 ファーストインパクトを重視し過ぎるとその先が無くなるというのは重々承知してるんですが。



・「死神グリム

 死神。

 グリム。

 死の神。

 本作のタイトルにもなっている。

 そしてエピグラフには童話が引用されていたりする。筆者がエピグラフににんまりする人種であるため。

 具体的な説明をするとマジもんの神様というワケでは──マジもんの神様ってどんなんだというツッコミは置いておいて──なく、人類の集合無意識から発生した人口調節機構。

 ようは都合のよい間引きシステムである。人口増加への歯止め。

 人類が抱く『死』のイメージの化身アレゴリー。つまりはまんま人間の想像する死神が形となったもの。故に見方によっては掛け値無しに正真正銘の「死神」と言えるのかもしれない。神なんてそもそも偶像である。

 そのため、わざとらしくあからさまに大鎌を振り回したりして人間を『死なせる』。人間のイメージ通りに。

 殺す、という言葉は使われない。定義的には死神グリムは生物ではなく現象というべき代物だからだろう。災害に近い。

 人間体と死神グリム体を代わる代わる交代させながら活動するらしい。といっても外観とかは全然変わらないんだけど。が変わるだけで。

 死亡した人間の遺体が変成して顕現する。

 その際その肉体の持ち主についての記憶は全人類から消失し、その人物をとして認識する事も出来なくなる。

 これがまたややこしい設定である。

 『人間から死神グリムへの変成過程』について話すと、まず①人間が死亡→②死体が死神グリムの肉体へと変質→③記憶の削除、認識の消失開始(時間差アリ)→④記憶削除、認識消失完了。完全な死神グリム化──といったプロセス。

 死者が死神グリム化するのは、作中で言われた通りに擬態のようなもの。人間を一番死なせやすいのは言うまでもなく人間であるからして。

 が、死者が再び動き出したら擬態もクソもない。大騒ぎである。んなワケでその死者についての人々の記憶、というよりは集合無意識内の記録データが削除されるのであった。

 全人類の共有するデータバンクから抹消される。故に全人類が存在を忘却する。否、いなかった事にされる、いなかった事になる、というべきか。

 これで家族だろうが友人だろうが恋人だろうが平等に心置きなく寝首を掻けるというワケだ。合理的である。

 個人として認識されなくなる──という設定だが、これもまたわかりにくい設定である。申し訳ない。

 まあ端的に言えば対象についての記憶が失われている上に、それについての違和感さえ認識出来なくなっているということ。

 たとえば誰かが死神グリムの生前と一緒に二人でプリクラを撮っていたとしてもその記憶は失われる。だが、それならそのプリクラをみて『この人誰……?』となる筈なのだが、そうはならないのである。記憶が失われる上に個人として認識出来なくなっているためだ。ようは二人で写ってるプリクラをみてもそこに写る生前の死神グリムを認識できないのだ。そうなると『なんで一人で撮ってるのに「ずっ友だょ♡」なんて書いてんだろ?』となりそうなものだがなんとその違和感すら感じ取れないのである。いくら記憶が処理されようとも物理的な痕跡はどうしても残る。残るのだがそれらの痕跡を目にし、耳で聞いたところで違和感や既視感を感じ取れなくなる。集合無意識の方でもう完全に『いなかった』事になっているので、何がどうあっても『いなかった』事として認識が帳尻を合わせてしまうのだ。

 そんなワケで死神グリム化したものは完全に人々の記憶から抹消され、個人として認識される事は二度となくなるのだった。

 ……ただ、死神グリム化した後で人間体として生活している内は決して『特定の個人』として記憶、認識されることはないのだが、その場かぎりでの『どこかの誰か』として認識される事は可能である。そのため、会話とか買い物とかは普通に出来るのであった。覚えては貰えないけど。一見さんお断りのお店には入れない。残念。

 あ、死神グリムも普通に食事は摂る。人間体は代謝も働いているのでエネルギーが無くては動けないからだ。ただ、餓死はしない。もう死んでるから。何も食べていないと人間体の活動は出来なくなるが死神グリムとしては活動出来るのだ。

 魂を奪ったり食べたりはしないが、前述した通り正体は人類の間引きシステムであるため、存在意義アイデンティティとして人間を死なせ続ける必要がある。長期間誰も死なせないでいるとどうなるのかは不明。そんな死神グリムはこれまで一体もいやしなかったので。

 ただ、肉体は成長しないし老化もしない。したがって寿命もない。

 そして、単純な物理攻撃等ではほぼ傷つかない。傷ついてもすぐ治る。人間なら致命傷と言えるダメージを負っても割りと平気。

 彼らが消滅するのは、現在確認されている中では人間──灰祓アルバの手にかかった場合のみである。

 死神グリム同士での衝突や抗争は実は日常茶飯事なのだが、死神グリム同士では互いに致命傷を負わせられないのであった。

 …………例外は、在るのだけれど。



・「死鎌デスサイズ

 文字通り、死神グリムの振るう大鎌。

 死神グリムのメイン武装であるようだ。

 命を刈り奪る形をしている。

 人類にとっての『死神』としての普遍的なイメージが具現化した結果。そのまんま。

 大層に見えて実は単品ではこれといった能力は無い。ものすんごく切れ味の良い大鎌。それだけ。

 真っ黒なデカい鎌、というのがデフォルトだが、死神グリムが成長するにつれて色や形が変わったりする。鋭角化レイジングというらしい。別に物理的に尖るワケではないと思う。個性が出てくる、的な意味だろう。多分。

 鎌。

 フィクション内でも比較的ニッチな武装だと思われる。つーかそもそもは武器ではない。農具。(死神のイメージの中の一つとして『最高神に仕える農夫』というのがあるらしい)

 言うまでもなくリアルではこんなもんまともな武器にはできまい。フィクションでは普通に振り回して使ってるが、真面目に考えてあの形状をただ振り回しても当たるのは刃じゃなくて柄の部分だろう。刃の先端で刺す事は出来るかもだがどう考えても斬るのは無理だ。実際に草刈りとかで使えばわかるが鎌は振るうというより『引く』ものだと思う。

 実際の歴史でも武器として使われたケースはあるにはあるらしいのだが、基本的な形状の鎌は武器を用意出来ない農民がやむなく使った時ぐらいのようだ。あとは盾の上からザクッとやる時に使われたとかなんとか。

 実際にまともに武器として使われた戦鎌ウォーサイズは、調べて貰えばわかるがパッと見からしてよくイメージするような鎌に見えない。槍か薙刀に近い形状である。戦闘での実用性を求めれば必然的にそうなるということだろう。

 そんなワケでマジレスすると武器としてはお話にならないレベルの使いづらさであるらしい大鎌だが、まあ作中の描写はファンタジーということでサラッと流して貰いたい…………



・「【死因デスペア】」

 死因。

 デスペア。

 死の抽象化。

 死神グリムが行使する固有能力みたいなもの。

 死神グリムとはつまり死という概念の具現化なワケだが、一言に死といっても千差万別である。この世に同じ死など二つとない。

 そんな曖昧な概念である死を分類化カテゴライズし指向性を特化させることで、より強大かつ具体的な力として昇華したものが【死因デスペア】である。

 一定以上の力を持った死神グリムは皆これを体得しているらしい。

 これにより漠然とした死の化身であった死神グリムはより強烈な存在意義アイデンティティを確立し、より確固とした存在証明レゾンデートルを保ち、より強大な力を行使する事が出来るのであった。

 まあ要するに一人一つの特殊能力。それだけである。よくあるやつね。

 現在作中で明言された死因デスペアは【失血死】と【轢死】の二つ。

 どちらも比較的日常に近しい死因だろう。

 デスペアは英語で『絶望』。まあ説明するまでもないですかね。

 発音としてはデスペアよりディスペアの方が正しいかもだが、『デス』縛りにしたいのでそう読んどいてほしい。



・「【死業デスグラシア】」

 死業。

 デスグラシア。

 死神グリムにとっての第二形態的なもの。ようは■解。

 死の概念を抽象化し、指向性を持たせたものが【死因デスペア】であるワケだが、その【死因デスペア】をより具体的かつ普遍的に体現した状態。その形態は色々。

 どうやら人類の認識内で普遍的に流布した逸話フォークロア神話ミソロジーを一種の鋳型テンプレートとして使用しているようだ。

 わかりやすく、確固として定義されている人格や神格に当てはめることでより自らの存在強度を引き上げているのだろう。

 死神グリムの中でも一握りの上位個体しか発現できないようで、逸話フォークロアの体現個体は逸話級フォークロアクラス神話ミソロジーの体現個体は神話級ミソロジークラスと呼称され、人間から畏れられている模様。

 …………ここまでの情報から考察するに死神グリムにとっての格、強大さというのはどれだけ確固とした自己性を持つか。どれだけ具体的な存在を保っているのか、という事らしい。

 元が虚構から生まれた偶像である以上、至極当然と言えるかも知れないが。

 デスグラシアはスペイン語で『不幸』。アンラッキー。バッドラック。



・「【死に損ないデスペラード】」

 死に損ない。

 デスペラード。

 読んで字の如く、である。

 死んでも死にきれなかった死に損ない、等と作中では称される。

 そのまんまやね。

 どういうものかと言うと、死神グリム化していながら人間個人としての概念を失っていない者を指す。

 確認されているのは、時雨峰しうみね せい都雅とが みやこの二人のみ。

 要するに、死神グリムになっても他者に人間としての記憶が忘れ去られていない者達である。

 みやこの場合は親友のむすびが、死神グリムと成り果てたみやこという少女の事をただ一人忘れなかった。覚えていた。繋ぎ止めていた。結び付けていた。

 ──「むすび」という名前の通りに。

 人間としての存在を首の皮一枚で保っているため、死神グリムでありながら死神グリムの存在を否定、抹消することが出来る。

 その代わり死神グリムからも【死に損ないデスペラード】を死なせる事が出来るので、お互い様である。

 デスペラードはスペイン語っぽい発音だけど英語。意味は『無法者』、『命知らず』等。

 本来は『絶望した人』、『絶望的な状況に置かれた人』という意味合いだったが、それが転じて『絶望により無謀になった人』の意味を持つようになったとか。



・「グリムコード」

 グリムコード。

 グリムを識別する為の記号。

 それだけである。

 先述通り死神グリムの生前の記憶は全人類から失われ、人としては『どこかの誰か』としか認識されなくなるのだが、ある程度の存在強度を得た死神グリムは識別が可能。人間としてではなく、死神グリムとしての固有性を認められるのだ。

 現在作中で登場してるグリムコードは【刈り手リーパー】、【醜母グリムヒルド】、【処女メイデン】、【白銀雪姫スノーホワイト】、等々。

 当初はグリム童話縛りにしようかとか考えてたのだけど、色々としんどかったんでやめた。ちらほら名残が見えるけども。



・「紫眼リーパ

 紫眼。

 リーパ。

 死神グリム死神グリムとしての力を振るう際に現れる紫色の虹彩のこと。

 一応ちらほら描写されてはいるのだが、どうも死に設定になってる感ある。

 ぶっちゃけいちいち描写すんのめんどいし、特殊能力とかがあるわけでもないので描写しなくても何も問題がない。イラストとかでならアリかもしれないけど本作は小説である。

 まあ、あってもなくても変わらない設定。

 紫色はあらゆる宗教において『あの世とこの世を繋ぐ色』とされている。お葬式の時にお坊さんが身に付けてたりするのを見たことのある人も多いのでは。

 神父さんのストラにも紫色のがある。

 をかけていたりする。

 リーパはラテン語で『川岸』という意味。此岸、というか三途の川的な。

 【刈り手リーパー】ともかかってたり。

 ホント無駄に凝ってるんだよな。無駄に。

 こういうの考えるの好きなんです。



・「泡沫の空オムニア

 泡沫うたかたの空。

 オムニア。

 本作有数のワケわからん設定の一つ。

 ワケわからんもんを作るな。

 亜空間、或いは異次元みたいなイメージをしてくれればだいたいあってる感じなんだけど。

 厳密には亜空間でも異次元でも、ましてや異世界でもなんでもなく、れっきとした現実風景だったりする。

 どっちやねん。

 だからワケわからんっちゅーに。

 えー、詳しく(そしてややこしく)説明すると、一般人が目で見て、耳で聴いて、肌で感じてる風景ってのは『個人の世界』です。

 人一人が知覚した情報を人一人が処理し、人一人の中で構築した風景なワケですね。

 対して泡沫の空オムニアってのは、集合無意識内で構築された、全人類の知覚した情報を全人類の無意識内で処理する事により構築された風景──『みんなの世界』なのです。

 単純に考えて七十億倍の情報から形作られてる風景なので、なんかこう、色々とスゴいです(語彙力無し)。

 精神世界みたいなものだけど、異世界とかではなく、あくまで現実。

 なんというべきか、こう、異次元フィルターがかかった景色、というべきか。霊能力者が幽霊を見てる視点というか…………あー、あれです。HUNTER×HUNTERでいうと念能力は念能力者にしか見えないみたいな、あんな感じ。けど念能力者じゃなくても念能力は効きますよね。あんな感じで、一般人からは死神グリムを知覚できないけど、死神グリムからは一般人に干渉出来るのです。幽霊が人間を祟り殺すようなもんです。

 人間は右目と左目両方で見ることで物を立体的に見たり、右耳と左耳両方で聴くことで音を立体的に聞いたりしてるワケですが、イメージとしてはそんな感じで、多くの人間が知覚した情報を統合することにより、より多くの、具体的な情報を元に風景を構築することが可能になったという事。

 まあ、うん、つまり、全人類の共有する高次元の現実風景というか…………はい! そんな感じで!!

 死神グリムは基本的にこの風景の中で力を行使している。現実では大体人間と同じ。

 人間もこの風景に干渉、接続することは可能だが、資質あるもの──集合無意識にアクセス出来るものにしか知覚出来ない。

 その才能を持った人間が、これまで霊能力者とか超能力者とか呼ばれていた、という設定。

 作中で『死神グリムが見えてるってことは長く生きられない』みたいな発言があったが、死の間際になるときっとこの泡沫の空オムニアの風景が見えやすくなるのだろう。

 ただ、死の間際でなくとも見える人は見える。うん。だからやはり、幽霊みたいな感じです。

 オムニアはラテン語で『あらゆるもの』という意味。



・偏在率

 偏在率。

 パラダイム、というルビが振られる事も。

 ワケわからん設定である泡沫の空オムニアに関する設定なので、必然これもワケわからん設定となる。

 ようは泡沫の空オムニアにおける存在の大きさ。

 この数字が大きいほど泡沫の空オムニア内で強大な力を行使できる、ぐらいに考えて貰えれば。

 HP兼攻撃力みたいなもん、かな?

 まーキン肉マンにおける超人強度ぐらい当てにならない数字だと思いますので、参考までに。

 『偏在』ってのは偏って存在してるという事。

 現実を離れて泡沫の空オムニア側に偏っている、みたいなイメージ。



・「灰祓アルバ

 灰祓。

 アルバ。

 死を拒むもの。

 死を畏れるもの。

 ただの人間。

 直ぐに作中で詳しく語られるので、ここでは大雑把な説明だけ。

 死神グリムに対抗する術を手に入れた人間達。

 組織化され、死神グリムに抵抗を続けているらしい。

 先述した『集合無意識にアクセスし、泡沫の空オムニアへと干渉出来る者』達の死神グリムに対する反抗勢力レジスタンスみたいなものだろう。

 …………一章の扱いを見れば察せられるだろうが、基本的にかませ役である。

 ヤムチャしやがって…………

 次章ではただかませなだけじゃないぜ! ってなトコを見せられたらいいなぁ(かませである事は否定しない)

 念のためフォローを入れておくと、作中で言われてる通りに死神グリム灰祓アルバには歴然とした力の差があるのである。

 死神グリムは主な人間にとっての現実から離れた泡沫の空オムニアに存在し、そこから一方的に人間を死なせていく。もうこの時点で人間側からすりゃクソゲーなのだが、一部の人間は泡沫の空オムニア側へと入り込んで同じ場所で死神グリムに抵抗出来るワケだ。

 が、これはつまり死神グリム達のホームグラウンドへと飛び込んでいるワケであり、死神グリムからすれば鯉がまな板の上にやって来たようなものなのである。酷ぇ。

 わかりやすく例えれば、人間が海の中でホホジロザメと闘ってるぐらいの絶望的な戦力差。水中銃とかウエットスーツとか酸素ボンベぐらいは持ち込んでるけど、それだけである。気休めレベル。

 そんなワケで、死神グリム灰祓アルバの闘いはおよそ一方的になりがち。

 無論、死神グリム灰祓アルバも強さはピンキリなので、最高位の灰祓アルバと最低位の死神グリムが闘えば、流石に灰祓アルバが勝つのだけれど、ぶっちゃけ一章に登場した死神グリム達はどいつもこいつも上位陣と言える実力の持ち主であったため、およそ灰祓アルバの太刀打ち出来る相手では無かったのであった。

 基本的には、一章ボスであった【処女メイデン】辺りが灰祓アルバの勝利出来る最高ラインである。もちろん確実に、などではなくかなりの犠牲を出した上で上手くいけば、の話だろうが。

 まあ、戦闘力を10段階にレベル分けしたとしたら、死神グリム灰祓アルバには3レベルぐらいの格差が生まれると思っといて下さい。

 灰祓アルバの最高峰、レベル10の実力者がいたとしても、死神グリムのレベルからすればレベル7ぐらいでしかありません。……これでも甘く見積もってるぐらいかな?

 で、一章で登場した死神グリム達を紹介したら、【刈り手リーパー】がレベル10で、【処女メイデン】とみやこがレベル7ぐらい、といったところ。

 理不尽な話である。



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