生徒倶楽部。その2

「み····見え···」

夜孔はついそう囁いてしまう。

因みに、その可愛らしい女の子は丈の短いスカートを着ている。

勿論制服。

「ひゃっ!!」

女の子がびっくりした声を出す。

ベチッ!!バチッッッ!!!!!

反射神経的な奴で、夜孔の頬を二回叩く。

気持ちのいい音が、廊下中に響き渡る。

これには夜孔も完全KO。ぐったりして気絶した。


「·······う··········うぅ···」

「気がついた···良かった~」

ここは、畳八畳くらいの小さい教室、の、地面に

夜孔が横たわっていた。その隣に女の子が座っている。

「俺は何を···してた?」

夜孔は叩かれた衝撃で記憶が多少ふっとんでる。

さっき起こったことが理解できていない。頭の中もボーっとしている。

「それはね···えっと、あの、ボクがビックリしちゃて、つい君のほっぺを叩いちゃったわけ···」

女の子が頬に少し赤みを帯びて、しょぼんとした口調で言う。

もっと堂々と言ってくれても良いよ。

「あ、思い出した!で、何で二回も叩いたのさ!」

夜孔は思い出した衝撃で、つい気絶直前の記憶の本音が出た。

ま、元気が良くて何よりだ。

「そこ!?···いや·····だって君が覗いてくるのだよ···叩かざる得ない

じゃない···」

女の子はまだ頬に赤みを帯びていた。

「あ、いや、すまん。あの時はつい、男の本能が出てしまって···

いや、本当にすまなかった!」

夜孔、このことについては、真剣に謝罪した。

そりゃ謝罪くらいはしなきゃダメだよ。

「ま、反省してくれてるんだったらもういいよ

許してあげる。でも次したら本気で叩くからね」

夜孔の想像以上に正直な姿勢に女の子は許しを出したのだろう。

て、あれで本気じゃないのかい。これはヤバいな。

「有難う。あの、何故二回も叩いたのかの?」

「え?まだその話引き連れるのー。ま、答えてあげますけど。

えー、トドめは二回刺せっていうでしょ。ただそれだけのこと」

思ったよりシンプルな答えに夜孔は驚き。

「え、それだけかい。納得した」

実際結構納得してるみたいだ。確かにこれ以上のこと

何を答えろと言うのだろう。

ガラガラガラ···

おや、誰かこの小さい教室に入ってくるぞ。

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