懍とする鈴

緋想艦

生徒倶楽部。その1

2016年4月、勉強大っ嫌い人間·夜孔やこう君が

死ぬ気の本気を出して入学した董境とうきょう高校。

「勉強の愉しさが解った気がする·········嗚呼、我とは何ぞや」

最早何が言いたいのか、判らない。流石に疲れているのだろう。

と、こんな感じで入学して一週間。やっと正気に戻れた。

「そうだ、部活動どうしよう?何に入部しよう?

············悩んだところで······仕方ないったらありゃしない。

とりあえず適当に見て回るとすか」

放課後のことだった。夜孔が一人、学校内をうろうろしていたモノだから、

他の生徒から変な目で見られた、が、気にしない。

野球、サッカー、バスケ、その他もろもろ見て回ったが···体育系はやっぱ

無理、と判断した夜孔は文化系の部活に入ろうと決意。

だが、絵も下手だし音楽は楽譜が読めない。どうしたものかと、

頭の中で精一杯考えながら廊下を歩いている。その時だ、何もない廊下で

つい足を挫いて転けてしまった。ダサイ。痛たタタタぁと、感じ

るわけだ。自業自得だ、本当に。···あれ、そこに誰かいる。  

「大丈夫?」

女の子の声。夜孔はゆっくりと顔を上げた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る