第4話 母の場合
母はわたしが子供の頃から何でもわたしに責任を押し付けてきた。2つ下の弟を必要以上にかばい立て、何が起きてもわたしを悪者にして解決する。わたしは記憶のある限り嘘をついたことは無いが、幾ら説明しても母は全く聞く耳を持たなかった。そのせいか、弟はだんだんズルい性格になっていった。自動的に何でもわたしのせいになるのだから当然だろう。好き放題だった。だから、わたしも弟を本気で苛めた。本気で嫌いだった。悪循環でしかなかった。
ある時、母の貯金箱から小銭がなくなったことがあった。否定しても一方的に濡れ衣を着せられたが、後日弟の仕業だと判明した。母はわたしに謝ってはいたが、今でもその姿勢はあまり変わらない。弟の事は必死で守るくせに、わたしが父にむちゃくちゃ言われていても庇う気はないらしい。
何を言ってもまずは否定から。誉めて貰おうと躍起になる癖を、いい加減何とかしたいところだ。もう諦めているのに、抜けないものだな。
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