友達計画(先)
「何とかして、後輩から解放されないかな」
「贅沢な悩みだな」
「友村は後輩に嫌われたことないからわからないんだよ」
「あの後輩ちゃんに嫌われることしたお前が、よっぽどなんだろ」
ここのところ、本当に僕の味方はいなくなってしまった。
いや、友村も吹奏楽部員も面白半分だということも、わかってはいるけれど。
「で、解放されたいんだっけか」
「まあね」
「後輩ちゃんがお前にかまってるのは、要するにお前のせいで友達がいないからだろ?」
「いるとは思うんだけどね」
「後輩ちゃんがいないと思っているわけだろ?」
言い直した友村にうなずいて返す。熱を出した時にも送ってくれる人はいるって言っていたし、結構仲のいい子はいるはずなのだ。
友達と思っていないというよりも、変に遠慮しているって感じがする。
「だったら、誰かに頼んで友達になってもらえばいいんじゃないか?」
「だれかって?」
「お前のところの後輩とか。残念ながら、俺のところは男ばっかりでね。
頼めば喜んで話に行くやつはいるが、いきなり男は後輩ちゃんがおびえるかもしれないしな」
そういうことなら、吹田あたりに頼むのがいいかもしれない。
確か後輩と同じクラスだったはずだし、同じ女の子ってことでうまくやってくれるだろう。
問題は僕が解放されたいから友達になってくれって言っても、たぶん話を聞いてくれないことか。
まあ、何もせず卒業まで後輩のこき使われ続けるよりも、何倍もましだろう。
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