③:2話の解説

・冒頭の時雨と夕立の会話

 夕立は時雨に「提督が素っ気無い」と相談を持ちかけます。


 それもそのはずです。

 既に死んだはずの夕立へ好意を抱けるはずもなく、

 その発言は時雨から発せられます。


「挨拶を無視された」とは、

 彼は時雨から発せられた挨拶を時雨の挨拶と誤解してしまったのでしょう。


 供給される事のない夕立自身のナノマシン、

 残された時間の中で提督の優しさは夕立ではなく時雨へ注がれる現状。

 2話で見せた嫉妬は無理も無かったのかもしれません。




・回想シーンの提督

 提督は本来の仕事である海域の確保を行う最中、

 彼女たちのトラウマであるはずの「遠征に出たい」という提案を受けます。

 少しでも提督の役に立ちたいという彼女たちの意思。

 ですが、提督にそれを容認できるはずがありませんでした。


 しかし、真実を伝えようとすると夕立が邪魔をし、

 それでも尚提案を呑まないのは時雨へ不審を抱かせてしまいます。

 止む無く彼は彼女たちを遠征に回します。

 できるだけ近郊の遠征、安全な遠征へ。


 作中で時雨を抱きしめるシーン、「お前達が集めた資材・・」のセリフは

 彼女たちのトラウマを抉ってまで遠征をさせた挙句に、

 提督への励ましを続ける時雨へ対する自責の念だったのでしょう。

 そして、そうまでして作戦を続けたくないという提督の叫びでした。

 ですがそれは無残にも、天使のような彼女の励ましにかき消されてしまいます。


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