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 静かすぎる所。それが、最初のこの場所の感想であり、今の感想でもあった。

 自分でもこんなに落ち着いていられるのにはビックリしたが、に私を監視する男は気味悪そうに私達を見ていた。


「昼飯だ」


 短い言葉と共に食パンのセットが投げられ、私達はやはり無言で、だが目はギラギラさせながらそれを分けて食べる。


「正午。後、5時間だ」


 教授が呟き、私達は改めて緊張感に包まれる。

 教授が「本番」の情報を流そうとしたまさにその時に、多福さんの家に公安の魔法使い部隊が急襲してきた。危うくアイツが彼らを消し炭にしようとしたが、澁谷さんに止められた私がそれを止める。

 簡単な文章を発信出来ただけで、大阪の職員達も取り押さえられ、政府は西猪名の地震の予知的中を「たまたま」として、この情報をすぐに取り消す声明を出した。


「政府が否定しようとしているという事は起きる可能性が高いという事だ!」


 だが、身から出た錆である政治不信が、澁谷さんと特高の目論み通りに情報の信用度を逆に上げる事になる。

 全速で投げつけられ私が磁力でキャッチした澁谷さんの携帯では、摂津のみならず大阪湾沿岸に淡路や和泉での動物などの異変が相次いで出ていて、気象庁には遂に受付を止めたらしい。

 また小さな会社を中心にして明日、つまり今は今日1日を臨時休業とする事にする企業が多く、西猪名地震で相次いで損壊が報じられた道路を走る車も少なくなった。


「さすが一線をかすところだ」


 そして、この時間になって鉄道でも大きな動きが出てくる。つまり摂州全域をカバーしている北畿鉄道が、運行に支障があるほどのコンピューターウイルスが見つかったため午後2時から8時までの間、全列車の運転を止めるというものだった。それを皮切りにして、摂州のみならず畿内を走る鉄道会社が「感染したので」止め始める。

 更に、北畿鉄道と同じく羽柴系列の会社を中心にテーマパークや観光地も、やはり私営を中心にして止まり始める。


 そして。

 午後4時13分。

 1つ目の地震が起きる。

 

 

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