切捨御免~斬る側も命懸け~(日本史・江戸時代)
「
「ぎゃーっ!」
「ああ、何てことを!」
「
こんな光景を時代劇で見たことがある方もいるのでは?
『
呼び名としては『
武士に対して無礼があったら斬ってもOK(無罪)というイメージがありますが、実はこれ、厳格なルールの下で行われています。
むしろ、切る側もかなりのリスクを負った行動なのです。
まずは行うための条件。
① 武士が町人・農民から耐え
② 武士に対する敬意を表現しない行為に対し
要は時代劇とかで見る「肩がぶつかったから斬られた」なんてのは完全にアウトな訳です。
続いて斬る際の制限。
① 正当防衛の一環であるため、結果的に相手が死ぬのはOKだが、とどめを刺すのは
② 刀を抜いた後、相手に逃げられても処罰の対象となる。
なので一度斬って逃げた相手を追いかけて「とどめだ!」と、殺すのはアウトです。斬った後に逃げられるのはOK。さらに、斬った後もやらなくてはいけないことがあります。
① 一応傷害or殺人事件となりますのでお裁き(裁判)が行われます。それまでは家で待機。
② 裁きを受け、正当防衛であることを立証できないと傷害・殺人扱いで処罰されます。そのため、家族や家臣が証人をお裁きまでに探す必要があった。
証人が用意できないと場合によっては斬った本人が斬首(つまり罪人扱いで武士として死ねる「
全員路頭に迷う可能性もあるため、必死になって探すことになります。
と言う訳で名誉を守るためとはいえ、非常にリスクの大きい行動なのです。
「じゃあ、やらなければいいのでは?」と思いますが、この時代、武士は名誉を重んじます。侮辱されて何もしないのも武士にとっては「恥」となります。
面倒くさいですけど、武士も大変な立場なのです。
・番外
自分の所属地ではない所(他藩)で行った場合、相手への敵対行為と取られる可能性もあった。
そのため、参勤交代時の時などは軽率に刀を抜くことにならないよう自重していたようです。
武士は様々な特権がありましたが、逆に名誉や立場に縛られて自由があまりなかったのかもしれませんね。少なくとも時代劇のように
それでは、今回はこの辺で。
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