プロムの後に ②


ジェイソンは色々な人と挨拶を交わしつつ、歩いた。


しばらく歩いた先の花壇に、ケルシーが佇んでいた。


「ケルシー?」


1人でぼんやりと佇んでいるケルシーに、ジェイソンは声をかけた。


「ジェイソン!」


ケルシーは突然のジェイソン登場にびっくりして目を見開いた。


そして、嬉しそうにジェイソンに駆け寄った。


ケルシーは履き慣れないヒールで小走りした為、つまづいて前につんのめってしまった。


「ケルシー、どうして1人でこんなトコに?」


ジェイソンは前につんのめったケルシーを手を差し伸べて支えながら話した。


「あ、えっと…なんか、外の空気を吸いたくなって…」


ケルシーは照れ臭そうに笑いながら、自身の首筋に手を触れた。


「僕もだよ…更に広間は暑いからさ」


ジェイソンもまた、照れ臭そうにはにかんだ。


「…プロム、凄かったね」


ケルシーは広間の方を見つめ、興奮気味になって少し頬を染めた。


「…うん、皆別人のようだった…それに、凄く輝いてて…夢のようだった」


ケルシーにつられるように、ジェイソンも広間の方を見つめた。


「…私、まだ夢の中みたいな気分」


ケルシーはくるっとジェイソンの方を向き、ふわりと微笑んだ。


「…うん、僕もだよ」


ケルシーにつられるようにふわりと微笑めば、ケルシーに手を差し伸べた。


そして、真剣な目をして話した。


「…ケルシー」


「…僕と、プロム…踊ってくれますか?」


ケルシーは更に頬を染めながら、差し伸べられた手を握り、しっかりとジェイソンの目を見つめた。


「逆に、私が聞きたいの…私と踊ってくれますか?」


ケルシーはギュッとジェイソンの手を握り締めながら、静かに聞き返した。


「もちろんだよ、ケルシー!」


ジェイソンはケルシーの手を強く握り返した。


まるで、返事をするように。


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