第7話 4人との約束 〜その1〜

模擬戦の次の日。セレスは待ちに待ったご褒美を得るため、放課後、リーナの帰り道を待ち伏せていた。リーナの顔からは昨日までの暗い陰はすっかり取れ、自然と笑顔に満ちあふれている。すると彼女は急にそわそわし始めた。そう、ここは僕が最初に彼女を待ち伏せた場所。気づかれたのだろうか、いや、彼女の調査中一度も気づかれたことは無い。自信を持てセレス!


「リーナ嬢!ご機嫌麗しゅう!」


リーナは急に姿を見せたセレスに驚きはしていたが、その後それまでと違う反応を見せた。頬を赤らませ、少しモジモジしている。


「き、来たわね!セレス・キャンベル。アンタなんか待ちわびてないんだからね!」


何と第一声がツンデレである。この変わりようには当のセレスもビックリした。


「リーナ嬢、何かキャラ変わっていません?確かにツインテールでツンデレはテンプレですけど!」


「あ、あなた何訳分からないこと言ってるの!それより何しにきたの?か弱い女子を待ち伏せして!あなた変態なの?変態でしょ!」


「か、か弱い女子はレイピア扱わないと思うんですが。それよりも随分良い笑顔になりましたね。いつもより数段可愛いですよ!」


「なっ!あ、あんたなんかに可愛いなんて言われても全然嬉しく無いんだからね!そ、それよりもどうしてわたくしが笑顔だったこと知っているの?もしかしてわたくしのこと見てたの?」


「はい。とても気になったもので・・・。」


「そ、そう。それならそうと言えばいいじゃない。わたくしもあなたのことを少しだけ、ほんの少しだけ気にしてあげてよ!」


「それはありがとう!って、そうじゃなかった。ところで・・・。」


「ふん、やっぱりそう言うこと!あなた、ゲスの極みね!・・・どうせ、あの約束のことでしょ!ふん!」


「流石、小隊切っての知略家。お察しが早くて助かります!」


「で、どうするつもり!わたくしをここで犯すの?ねえ、どうなの!?」


「お、犯すとは人聞きの悪い・・・。約束通りキスをさせて頂きに参りました。」


「お、同じことじゃない。結局わたくしの体が目当てなのでしょ!」


「ですから、体が目当てという訳では・・・。」


「ど、どういうことよ〜!わたくしの体に魅力が無いとでも言いたい訳?こ、こう見えても脱いだらスゴいんだから!」


「それは知ってますけど・・・」


「え、な、何で知っているのよ!どういうことよ!この変態!間男!通り魔!変態!」


「ちょ、ちょっと変態多くありませんか?」


セレスは脈ありと思いすかさず畳み掛ける。


「では約束は止めておきますか。僕は今からセーラ嬢のところへ向かいますので・・・。」


「そ、それは駄目!や、約束通りわたくしで我慢なさい!」


「ではキスさせて頂けるのですね。キスする上でここは相応しく無い。場所を移しましょうか?」


「どこで襲うつもりなの!この変態!」


「お姫様、どこかご希望の場所があれば何なりと仰って下さい!」


「な、何!急にナイト気取り、もう、どういうことよ〜!じゃ、じゃあ、シンプルに公園のベンチでとか、どうなのよ!」


「畏まりました。お姫様。では時間は有限ですので、急いで向かいましょう!」


セレスはひょいとリーナを両手で持ち上げ、文字通りお姫様だっこした。


「ひょっ、ひょっと〜!何しゅるのよ〜!」


セレスは高まる気持ちを抑えきれずに目的の公園にたどり着く。そして、彼女を噴水が目の前にあるベンチに座らせた。


「お姫様、こちらならご満足頂けますでしょうか?」


そこにはちょうど日が沈みかけて赤らんだ空が広がっていた。幸い、周辺には人も少ない。公園デートとしては出来すぎたシチュエーションである。


「そ、そうね。あんたにしては上出来じゃない。」


そう答えるリーナも満更でない感じだった。


「で、どうするの、き、キスするの!わたくし、安く無いわよ!」


「はい、キスさせて頂きます。お姫様、心の準備は宜しいでしょうか?」


「ちょ、ちょっと待って!さ、最後に確認させて!」


「あなたはわたくしが好きなの?それともただの気まぐれ?」


「もちろん好きですよ!気まぐれでそのような約束はしません。」


「わ、分かったわ!じゃあ、最後の質問、そ、その、せ、セレスはセーラ様へのキスではなくて、わたくしで良いの?」


「はい、もちろんです。セーラ嬢へのキスは今回の模擬戦の報酬としては受け取りません。こちらはお約束致します。」


「と、ところで、キスってどうするの?わ、わたくし、は、初めてなんですからね!優しくなさい!」


「では、失礼致します。リーナ姫様。」


お互い目を閉じて、最初は優しく唇を重ねる。それだけでリーナは体にゾクリとするものを感じた。しかし、それだけでは終わらなかった。セレスは彼女を追撃する。


「む〜」


リーナは驚いた。何とセレスの口からリーナの口に舌が入り込んできたのだ。この衝撃に彼女は頬を更に赤らめ体を硬直させる。セレスを頃合いとみて彼女蕾の中で己の舌をゆっくりと旋回させる。徐々にリーナも慣れて行き、セレスをもっと近くに感じるため、自分の舌をセレスの中に入れた。そしてセレスの見よう見まねでゆっくりと彼女の柔らかい舌を彼の舌に合わせて回し始める。お互いの舌が徐々に絡まり合い、心が溶けて行くのをリーナは感じた。


ーな、何これ気持ちいい。これがキスなの?想像してたキスと違う〜!に、妊娠しちゃう〜ー


ーピチャピチャ、レロレロー


そうしてお互いを感じていると、リーナの中に一つの疑問が過った。


「しょ、しょういへば、なんではんたはこんなきしゅしゅっているのよ〜!」


「あやたのてゃめにへんきょうしたかられしゅ!」


お互い唇を離さず、舌を絡めたままそのような会話を続けた。


「しょ、しょうにゃのね!しょれにゃらゆるしへあげにょうかひら!」


リーナはそう言いながら、セレスの感じるポイントを見つけるとそこを重点的に攻めて来た。


「こほがきゃんじぃるにょね!うちゅ〜れろれろ!」


セレスはそれに呼応し、リーナの弱い部分を攻める。


「りーなもこほがきゃんじるんれしょ〜!うちゅ〜れろれろ!」


どれだけの時間が経っただろうか・・・。お互いが満足するまでその甘美な一時は続いた。そして、ようやくお互い唇を離す。


「はあ、はあ、はあ、はあ。」


「はあ、はあ、はあ、はあ。」


リーナはキスが終わった後もその余韻に浸りながら、セレスに肩を預けた。セレスもその可愛い仕草に肩を貸す。


「そ、その、へ、変態!」


「第一声がそれですか!」


「変態じゃない!こんなキス習ったこと無いわ!その証拠に、し、下着が濡れちゃったじゃない!」


「え、本当に!?」


「な、何言わせるのよ〜!馬鹿〜!」


「ではこのまま最後まで続けますか?お姫様。」


「あんた馬鹿なの?それとも馬鹿なの?ものには順序ってものがあるでしょ!まだ、あげないんだから!今はあげないんだから!今日はこれで満足なさい!」


「むちゅ〜」


今度はリーナから舌をセレスに突っ込んできた。


こうして、リーナはセレスの舌によって陥落した・・・。


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