隠忍自重-3
施設の女性職員用ロッカー室。扉が開きリツコが押されるように室内に入ってくる、続いてルキノが後に続きリツコを急き立てる。
「ちょっと、もう~止めてよルキノちゃん!」
急き立てるルキノに抗議を上げるリツコ。
「ダメですよリツコ先生、もう帰らないと。教授にだって言われてるんですから。それに明日は警備主任のミサトさんと、3人で女子会ですよ。」
何時までも仕事を切り上げないリツコに、ルキノは強攻策に出た。
「、、、、そうね、、、もうこんな時間。ダメね私、ついのめり込んじゃって、、、ごめんなさい、ルキノちゃん。」
ルキノの言葉に諭され謝罪を口にするリツコ。自分の悪い面が出てしまった事に反省をする。
「良いんですよ~先生、それより早く帰りましょう。明日は何処に連れて行ってくれるんですか?凄く楽しみにしてますから。」
気落ちしたリツコに話題を変え、元気付けようとルキノは笑顔を向けた時、突然ロッカー室の
照明が消え、辺りは暗闇に包まれる。
「え!!なに?」
突然の事態に慌てるリツコ。だがルキノは闇のなかでまるでリツコが見えているかの如く彼女を引き寄せ、優しく諭す。
「先生はココでじっとしていて下さい、私が様子を見て来ます。落ち着いて、大丈夫だから。」
リツコを安心させる様に抱きしめた後。ルキノは踵を返し、暗闇をモノともせづに部屋の外へ向かう。
「先生、ミサト主任を呼んできます。来るまでココから出ないで下さいね。」
「まって!!ルキノちゃん。」
暗闇の中、リツコの耳には締まるロッカー室のドアの音だけが残った。
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