0007
「おい。終わったぞ、起きろ」
ペチペチと頬を叩かれ、私はいつの間にか眠っていたことに気付いた。あれほど心配していた状況で寝るなんて、自分のマイペースさに苦笑する。
「……わぁ」
鏡に写っていたのは、ショートカットになった私だった。肩甲骨まで伸びていた髪はバッサリ切られ、首もとが
「似合ってるぜ。どうだ? 気に入ったか?」
「……はい、とても」
その言葉は自然と口から滑り出た。
「面白い髪型にする、と言われたときはどんな髪型にされるのか不安でしたけど」
「な? 面白い=おかしい、じゃないって証明できただろ?」
そう言ってシュワルツェネッガーさんは満足そうに笑った。そんな顔もできるのか。
「さて、髪も切ったし、夕方だし、お前は風呂にでも入れ。案内するから」
スタスタとシュワルツェネッガーさんは扉の方へ足を運ぶ。
雑然としたワゴンと大量の髪を置いて。
「ちょ、ちょっと待ってください!掃除してから行きましょうよ!」
「いーのいーの。お前がお風呂から出たときには綺麗になってるから」
「でも」
「いいんだって」
その場でおろおろしている私は手をむんずと掴まれ、引きずられるように部屋を出てまた長い廊下を私たちは歩いて行った。
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