第3話昨日と今日

次の日、木霊が教室に行くとそこには

「あ、木霊さんおはよう!」

「寺田さん、おはよう!」

ゆうは昨日とは違う真の微笑ほほむ顔に驚きつつも何か話そうと話題をキョロキョロ探していると真の手元にあるスケッチブックに目が行く。

「木霊さん確か美術推薦びじゅつすいせんでこの学校来たんだよね?どんな絵なのか見せて!」

「いいですよ。…あ、後真でいいです。」

友はその言葉にますます笑顔になり感情が押さえきれなくなったのか真に抱きついた。

「嬉しいよ真!私の事友って呼んで!それから、敬語禁止だよ!」

「うん、友。これで私達“友達”だよね?」

真は自分でも“友達”と言う言葉が出てくるとは思いもしなかったが昨日の事…今までの自分の行動を思い出せばやはり“寂しかった”と言う気持ちにやっと気づけたのだ。

「当たり前だよ‼真、これからは何でも相談してね‼」

小学校以来に出来た友達のその一言にどれだけ救われたか真は新たな世界の色に気づけた気がしていた。

「分かったよ。友、突然だけど今度絵のモデルしてよ。うん、決まりだね。」

「私に拒否権きょひけんないんかい!…やるけどね!」

まだ二人の他に誰もいない教室に二人の明るい笑い声が響き渡っていた。


***


「お二人さん、廊下まで声響いていたよ」

「あ、小川君。」

二人の近くに青が行くと苦笑いを三人でしていた。

「昨日はありがとう…小川君」

「ううん、僕に出来る事があってよかった」

「え?何の事、教えてよ!!」

友が勢いよく飛び付いてきた為昨日の事を説明すると申し訳なさそうな顔になる友。

「でも昨日の事がきっかけで友と仲良くなれなんだよ。だから私良かったと思ってる。」

青と友は顔を見合わせて安心した様でニコッと笑顔を見せる。真が心の内を話した後次から次へとクラスメイト達が教室に入ってきた為に“話はまた休み時間に”と小声で青が言ったので自分達の席へ戻った。

「ねえねえ、真。もしかしてだけど、小川君の事が…好きなの?」

「え!?」

頬を赤らめながら動揺していた。

友はニヤニヤしながら真の肩を叩き自信ありげに言い始めた。

「フムフム…恋で困ったら私に相談しなよ~」

「べ、別にそんなつもりは!!」

真は慌てながら否定し続けるがその途中先生が入ってきてHRが始まってしまった。

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青空ときどき彼 山神美智 @miti1106

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